■今日のつまらない無駄話(導入)
先日の昼休み、ちょうど雨が止んでいたので散歩に出かけました。
で、
ちょうど、いつものお散歩コースの折り返し地点(自宅から一番遠い所)で土砂降りの悲劇…。
傘を持っていなかったボクは無残な姿になってしまい、ヤケ歌を歌いながら帰路につきます。
「雨降られ~ 空にフラれ~ びしょ濡れてぇ~歩いて行こう!
新しい~ 恋に向かってぇ~ 明日は晴れるよぉ~♪」
♬~٩( ˊoˋ* )و
…家に帰って天気予報見たら明日も雨なんですけど…。
え?ボクに恋するなってこと…?
(・д・) エッ???
どうやら人生の快晴は遠そうです…。
まぁ、晴れたところで恋できませんけどね…。
さて、本日はもっと爽やかな濡れ方をする少年たちの青春面白おすすめ邦画作品のご紹介です!
(下ネタではありません。)
(/ω\)イヤン
『ウォーターボーイズ』
■メディア:映画(邦画)
■ジャンル:青春学園コメディ
■放映時間:1時間31分
■発表年度:2001年
■製作の国:日本
■映像監督:矢口 史晴
■脚本作家:矢口 史晴
■興行収入:約9億円
鈴木 智役
妻夫木 聡
(当時:21歳)
佐藤 勝正役
玉木 宏
(当時:21歳)
早乙女聖役
金子 貴俊
(当時:23歳)
太田 祐一役
三浦 アキフミ
(当時:20歳)
金沢 孝志役
近藤 公園
(当時:23歳)
木内 静子役
平山 あや
(当時:17歳)
佐久間 恵役
眞鍋かをり
(当時:21歳)
杉田(水泳部顧問)役
杉本 哲太
(当時:36歳)
喫茶バーのママ役
柄本 明
(当時:53歳)
磯村(イルカ飼育員)役
竹中 直人
(当時:45歳)
5人の男子高校生たちは、ひょんなことから、学園祭でシンクロナイズドスイミングをすることになってしまった。
指導者不在の中、しぶしぶ取り組むも、さまざまなな試練に見舞われていくが、
それらを乗り越えながら、最高のエンディングパフォーマンスに向け、少年たちは水中を舞う。
【ちょっと感想】
青春よし、コメディよし、竹中直人よし!
どこをとっても面白い逸品です!
最初の演技披露が大失敗したシーン、見に来ていたバスケ部員たちは、何故か笑ってバカにするのではなく、とってもガッカリした様子でした。
どこかで仲間の成功を期待してたんですね。
泣ける…、演出として細部の神を感じました。
矢口史晴監督の名を轟かせた痛快な出世作を是非!
追伸:
ドラマシリーズ含め、多くの俳優さんたちがこの作品より出世されていきました。
本作を紹介したボクがブロガーとしての出世しなかったら、矢口監督を恨みます♪
【映画】『ウォーターボーイズ』が面白い理由
(ストーリー論的に解説)
日本のヒットメーカー「矢口 史靖(やぐち しのぶ)」監督作品『ウォーターボーイズ』のご紹介です。
矢口監督の作品は『スウィングガールズ』に続き2作目のご紹介となります。
やはり、テンポのよい展開、コメディのセンス、サイドを固める名役者陣の厚みなど、総じてとても楽しめる作品です。
『スウィングガールズ』同様、プロット(脚本)だけにスポットを当てて面白さを語ることは難しいのですが、筆者の感覚を元に、少々語らせていただきます。
結論から言うと、本作は「舞台設定」がとても秀逸でした。
キャッチコピーにもある通り、「男のシンクロ」ということで、男子高校生たちがシンクロナイズドスイミング(現:アーティスティックスイミング)を披露するというものです。
従来、女性の競技とされていますが、男性がやることで、ギャップが生まれ、キャッチーな引きが生まれます。
もちろん、効果はそれだけではありません。
本作のストーリー展開を描く上で、とても利便性の高い緻密な設定であったことがうかがえます。
本作の大筋は、「コメディ青春ストーリー」でした。
シンクロという競技の奥深さや実態、セオリーなどではなく、シンクロという競技を通して、若人や周囲の人間ドラマを描くプロット展開です。
なので、「シンクロ競技に選手として参加する」ではなく「学園祭でシンクロパフォーマンスを発表する」とすることで、まず、「シンクロという競技に関する説明やあれそれを最低限に抑える」ということに成功していました。
(シンクロに限らず、そのスポーツ競技に関しての情報は、興味のない人にとっては、面白くない内容です。)
同時に、学園祭でのパフォーマンスを最終目標にすることで、「競争や勝ち負け」という難しい部分からも脱却できました。
(スポーツものにおいて、勝ち負けの部分で面白さをつくるのはけっこう難しいんです。)
忘れてはならないのが、本作は「映画(映像作品)」だということです。
音楽と映像の利点を最大限に生かし、最後のシンクロパフォーマンスでは、誰もが心躍りました。
で、
ここからは、決してシンクロナイズドスイミング自体を否定する意図ではない前提で読んでほしいのですが、
少々無礼ながら、シンクロが「マイナースポーツ」であることが、物語を描く上で、とても功を奏していました。
マイナースポーツを起用するとこで、ストリート展開としては、幅のある展開が描けます。
例えば、
1.練習場所がない。
→あちこちにお願いして提供してもらわないといけない。お金を工面しないといけない。
2.指導者がいない
→あれこれ探さないといけない。
3.メンバーや有権者、周囲から認められない(白い目で見られる)
→心の葛藤や人間ドラマが起こる。
などなど。
「ボールの持ち方や、戦略の練り方、練習風景や心構え」といった、スポーツ競技の範疇内ではなく、その枠を出たところであれこれ展開が描ける点です。
先ほども記載した通り、その競技自体に興味がない人にとっては、そのスポーツ自体にスポットを当てた描写は退屈になりがちなためです。
あくまで、その競技を土台にしつつ、全体を通して幅の広い面白い展開を描く上で、マイナースポーツは利便性が高いということが言えます。
もちろん、メジャー競技はメジャー競技で、「認知度があるのでとっつきやすい」「ルールや世界観の説明が不要」「支持層を取り込みやすい」などのメリットがあるので、描きたいストリートによっては、十分活用できます。
逆に「全く知られていないスポーツ(「ウォーリーボール」や「クロナム」)等」や、「制作者が創作したスポーツ」を起用すると、どうなるか。
基本的には、同じように1、2、3のメリットがありますが、少々問題なのは、「その競技をいちから説明する描写がいる」という点です。
先ほども申し上げた通り、その競技に興味を持たない人にとっては、この説明部分も基本は楽しめません。
かといって、それを知らないと、今後の展開について行けないので、省くわけにもいきません。
(人には知りたい欲があるので、その限りではございませんが。)
その点、「シンクロナイズドスイミング」というのは、とても合理性の高い競技でした。
比較的、マイナースポーツではありながら、認知度は高い競技であり、その既存のライバル作品は多くありません。
みんなが最低限知ってる「音楽に合わせて水の中で芸術的な動きを数人で合わせる競技」という知ってる部分だけで物語を理解できるので、説明不要で、以降の展開でも、いちいちルールを頭でなぞるストレスもありません。
演者を男子学生にすることで、シンクロが持つメリットを削がずに、よりマイナー感を強化出来ていたので、1、2、3の効果も自然と高まっていました。
以上の理由から、総じて、このストーリー題材を最大限に生かしやすい、秀逸な舞台設定であることが、本作の面白さを最大限に引き上げていたという考察でした。
以上、『ウォーターボーイズ』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
マイナースポーツの起用は展開の幅が広がる!
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