【面白い物語.97】映画『グリーンマイル』

今回ご紹介する作品は、いささかセンシティブな内容を含みます。
そのため、冒頭のツカミコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

熟考しましたが、どうしても、不謹慎なものになりかねないと判断したためです。

本作は本当に名作なので、是非みなさま、ご覧ください。

『グリーンマイル』

映画『グリーンマイル』(The Green Mile)
【基本情報】

■メディア:映画(洋画)
■ジャンル:ヒューマン・ドラマ
■放映時間:3時間8分
■発表年度:1999年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:フランク・ダラボン
■脚本作家:フランク・ダラボン
■原作作家:スティーヴン・キング『グリーンマイル』
■興行収入:約419億円

映画『グリーンマイル』ポール・エッジコム(トム・ハンクス)

ポール・エッジコム役
演:トム・ハンクス
(当時:43歳)

映画『グリーンマイル』ジョン・コーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)

ジョン・コーフィ役
演:マイケル・クラーク・ダンカン
(当時:42歳)

映画『グリーンマイル』ブルータス・“ブルータル”・ハウエル(デヴィッド・モース)

ブルータス・“ブルータル”・ハウエル役
演:デヴィッド・モース
(当時:46歳)

映画『グリーンマイル』ディーン・スタントン(バリー・ペッパー)

ディーン・スタントン役
演:バリー・ペッパー
(当時:29歳)

映画『グリーンマイル』パーシー・ウェットモア(ダグ・ハッチソン)

パーシー・ウェットモア役
演:ダグ・ハッチソン
(当時:39歳)

映画『グリーンマイル』ハリー・ターウィルガー(ジェフリー・デマン)

ハリー・ターウィルガー役
演:ジェフリー・デマン
(当時:52歳)

映画『グリーンマイル』ハル・ムーアズ(ジェームズ・クロムウェル)

ハル・ムーアズ役
演:ジェームズ・クロムウェル
(当時:59歳)

映画『グリーンマイル』エデュアール・“デル”・ドラクロア(マイケル・ジェッター)

エデュアール・“デル”・ドラクロア役
演:マイケル・ジェッター
(当時:47歳)

映画『グリーンマイル』ウィリアム・“ワイルド・ビル”・ウォートン(サム・ロックウェル)

ウィリアム・“ワイルド・ビル”・ウォートン役
演:サム・ロックウェル
(当時:31歳)

映画『グリーンマイル』アーレン・ビターバック(グラハム・グリーン)

アーレン・ビターバック役
演:グラハム・グリーン
(当時:47歳)

映画『グリーンマイル』トゥート=トゥート(ハリー・ディーン・スタントン)

トゥート=トゥート役
演:ハリー・ディーン・スタントン
(当時:73歳)

映画『グリーンマイル』ジャン(ジャニス)・エッジコム(ボニー・ハント)

ジャニス(ジャン)・エッジコム役
演:ボニー・ハント
(当時:38歳)

映画『グリーンマイル』メリンダ・ムーアズ(パトリシア・クラークソン)

メリンダ・ムーアズ役
演:パトリシア・クラークソン
(当時:40歳)

映画『グリーンマイル』バート・ハマースミス(ゲイリー・シニーズ)

バート・ハマースミス役
演:ゲイリー・シニーズ
(当時:44歳)

映画『グリーンマイル』クラウス・デタリック(ウィリアム・サドラー)

クラウス・デタリック役
演:ウィリアム・サドラー
(当時:49歳)

映画『グリーンマイル』老年期のポール・エッジコム(ダブス・グリア)

老年期のポール・エッジコム役
演:ダブス・グリア
(当時:82歳)

【ざっくりあらすじ】

時は世界大恐慌時代、舞台は死刑囚監房。

ある日、少女殺しの罪で黒人の大男が死刑囚として移送されて来た。
およそ殺人犯と思えないその男は、ある不思議な力を持っていた。

みやごん

【ちょっと感想】
3時間にわたる大長編でしたが、飽きずに見れる素晴らしさです!

最初から大げさな謎を作って無理やり引きを作るのではなく、終盤に点と点を結ぶ、なんともスマートな構成!
さすがは世界の文豪スティーヴン・キングです。

少々ヘビーな内容ではありますが、名優トム・ハンクスの演技をはじめ、しっかりと作り込まれたキャラクター構成など、非常に密度の高い作品でした。

『ショーシャンクの空に』のコンビ復活、日本においても、2000年度の興行収入ランキング第2位を飾った超大ヒットの名作を是非ご覧ください!

追伸:1晩に4回もなんて、ボクも19歳の時以来ですねぇ~。ま、その時、相手はいませんでしたけど…。

【映画】『グリーンマイル』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)

今回は、アメリカのヒューマン・ドラマ映画『グリーンマイル』のご紹介です。

かの世界的文豪「スティーヴン・キング」が1996年に小説と発表し、1999年に映画化されました。
俳優として定評のある「トム・ハンクス」が主演を務め、豪華なキャスト陣で彩られています。

死刑囚監房を舞台にしていることから、心を揺さぶる演出も多く、またリアルに描かれた内部の実情が視聴者を引き込ませるストーリー展開でした。

「圧倒的理不尽な真実」を知る視聴者とポール(演:トム・ハンクス)たちが描かれていたことで、「ジョン・コーフィは犯人じゃないんだ!何とかしてあげてよぉぉ…」という「心の揺さぶり」も素晴らしいものでした。

細部に神を宿した作りだからこそ、「これと同じようなことが世界中のあちこちで起きてるんだ」というセリフにも説得力があり、心が揺れ動きます。

パーシー(演:ダグ・ハッチソン)のキャラクターに関しても「小柄のクセに(だからこそ)キャリアを後ろ盾にする横柄で嫌味なヤツ、しかし実際は臆病で小心者」という、とても説得力のある設定でした。

アメリカ映画界で昔から用いられてきた「マジカル・ニグロ(白人の救世主)」という手法が典型的な形で表現された作品でもあります。

さて、今回の考察は、前回からの続きで後編記事として投稿させていただきます。

前回の考察記事をざっくりと要約すると「キャラクターの言動の理由となる”動機付け”はシンプルがベスト~”お腹が空いた”といった内容であれば、観ている人で解釈が分かれないので、分かりやすい」といった内容でした。

で、ここで残る疑問として「何もかもがシンプルなら面白くないしキャラクターの個性が生きないのではないか?」といったものでした。

結論から言うと、動機付けとして起こる出来事がシンプルでも、個性は発揮できる、です。

そもそも、出来事がシンプルでも、それを受けて登場人物が起こす行動はそのキャラクター性により左右されます。

あえて公式を上げると、
◆起こった出来事 × キャラの性格(どう感じるか)× キャラの状況 = 起こす言動

つまり、「空腹」という誰が見ても分かりやすく、明らかに辛い現象が起こったとしても、人によって、食べる人もいれば、我慢する人、必死に食べ物を探す人、ただただ空腹を嘆く人、と様々です。

本作をとっても、それらは現れていました。
死刑囚たちは死を瀬戸際にしており、この状況であれば、誰ても震えるほど怖いと思います。
しかし、実際には、泣き喚く者もいれば、静かに受け入れる者、逃げ出そうとする者、狂乱する者など、実に様々でした。
つまり、出来事がシンプルを極めても、キャラの個性は死なないということです。

事前に各キャラクターの性格や状況をしっかりと説明することで、その出来事に対するさまざまな化学反応を視聴者にきちんと理解してもらうのも、難しくはありません。(というか、キャラの事前説明は必須です。)

逆を言えば、これらの工程から、視聴者にきちんと内容を理解してもらうには、冒頭からしっかりとキャラクターを確立させておく頃がとても重要だと言えます。

前の記事で「出来事をシンプルにすると、視聴者のストレスが減る」と論じましたが、こちらも少し補足説明させていただきます。

そもそも、映画作品などでは、実にいろいろな情報が飛び交っています。
シーン(絵)、隠された情報、登場人物の性格と状況、今の状況や発生した出来事、などなど。
視聴者が脳内で処理しなければいけない情報はとても多岐に渡りますので、内容が複雑すぎると、強い疲れを感じたり、一定量を超えると、完全に心が離れてしまいます。

しかし、それは逆を返すと、作品自体やキャラクターの差別化や個性を生む上では、材料に苦労しないということも言えます。
なので、そういった材料に恵まれすぎている状況だからこそ、不要な部分は削ぎ落して、シンプルにすることにより、とても良いバランス感覚の作品になると言うことが言えます。

「空腹」「死の恐怖」に対して起こす言動は各キャラそれぞれですが、それらを「どう感じるか」という部分においては、ほぼ差異はないので、考えるストレスを軽減してくれます。
(無論、例外はあり。)

本作、映画『グリーンマイル』の面白さの本質に触れた内容ではありませんでしたが、ストーリー論の基本考察として、ここに論じさせていただきました。
(本作の面白さの本質は冒頭で記載した内容としてご理解ください。)

以上、ご高覧くださり、ありがとうございました!
(また読んでね^^♪)

動機付けがシンプルでもキャラクターの個性は描ける!

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この記事を書いた人

~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~

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