【面白い物語.96】映画『シティーハンター』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
営業の人間からこんな言葉を聞きました。
「お客さんを選ばないと、お客さんから選ばれない」
何とも不思議な説得力のある言葉です。
( `·ω·) ウーム…
までも、カスタマーサポートであるボクは永遠にお客を選べない立場なんですけどね…。
そんなこんなで、今年のクリぼっちと将来の孤独死が確定した絶望の夜です。
(lll-ω-)ズーン
さて!
本日は、あのお客を選びまくる男がスクリーンにやって来る、おすすめ実写化コメディ・アクションののご紹介です!
『シティーハンター』
【基本情報】
■メディア:映画(マンガ実写)
■ジャンル:アクション・コメディ
■放映時間:1時間46分
■発表年度:1993年
■製作の国:イギリス領香港
■映像監督:ウォン・ジン(王・晶)
■脚本作家:ウォン・ジン(王・晶)
■原作作家:北条 司『シティーハンター』
■興行収入:約45億円
野上 冴子(ラン)役
演:チンミー・ヤウ
(当時:25歳)
銀子役
演:オンスイピン(キャロル・ワン)
(当時:22歳)
ギャンブラー(高達)役
演:レオン・ライ
(当時:27歳)
マクドナルド大佐役
演:リチャード・ノートン
(当時:43歳)
【ざっくりあらすじ】
社長令嬢の捜索を依頼された私立探偵の主人公。
令嬢を追い、とある豪華客船へ忍び込むことになる。
しかし、たまたま同じ船に乗り合わせた強盗団のシージャックに巻き込まれる。
【ちょっと感想】
面白いです、とても楽しい気持ちで観れます!
こういうのってやっぱりいいですよねぇ♪
ストーリーの枠を超えた繋がりやパロディ演出の楽しさもあり。
改めてコメディの重要性を勉強できる作品でした。
国の枠を超え、エンタメの枠を超え、時代の枠を超えた、超おすすめなコメディ・アクション作品を是非ご覧ください!
追伸:
ボク「夢の共演をありがとう。涙」
伝説のアクション俳優「いいってことよ。」
【映画】『シティーハンター』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、北条司氏原作の同名マンガ『シティーハンター』の実写版をご紹介します。
「もっこり」でお馴染みの冴羽獠を、世界的カンフースター「ジャッキー・チェン」が演じた当時の話題作です。
日本と香港の合作とも言うべき本作では、とてもエモい演出が多々ありました。
もちろん、実写化に当たり、完璧に原作を再現という内容ではありませんでしたが、守りすぎず、崩しすぎず、見事な融合具合だったと感じております。
やはり、コメディやお色気の力は絶大で、楽しい気持ちで見れるコメディ・デザスター(テロ)作品でした。
味方の軍勢が3つあり、また、女性のボケキャラというのも、珍しい設定だったと思います。
さて、本項では、少し基本に立ち返り、ストーリー論において特に重要とされる「動機付け」について、改めて考察、解説させていただきたいと思います。
「動機付け」とは、「そのキャラクターが行動を起こすきっかけになった出来事」です。
例えば、
・報酬がもらえるから、社長令嬢を探す。
・お腹が空いたから食べ物を探す。
・殴られたからやり返す。
などなど。
当然のことですが、人が何か行動を起こすのには、きっかけが必要です。
ストーリー作品においては、視聴者や読者に対して、そのきっかけになった出来事を描き、キャラの行動に納得してもらうことが必須です。
(あくまで原則的な話。)
で、この「動機付け」とは、実に多種多様です。
そんな中、本作では、その動機付けがシンプルだったことが、良点として挙げられます。
空腹に苦しみ、ネズミを捕まえる冴羽や、セクシー美女に鼻の下を伸ばす男連中などです。
誰が見ても分かりやすい言動展開で、スッと頭に入ってくると思います。
このシンプルな動機付けの素晴らしい点は、ずばり、「人によって解釈が分かれないので、観る側のストレスが軽減される」です。
言ってしまうと、ほとんどのストーリー系作品は、観る時に若干のストレスがかかります。
「面白い、楽しい」の快感と共に、「集中して観る」「考えながら観る」というストレスがセットです。
どんなに面白い作品でも、24時間続けて観ることが出来ず、休憩が必要だったり、初めて観ようとしている作品に、どこか躊躇してしまい、今までに観た面白い作品や、ほっこりけい動画に何度も手が伸びた経験が多くの人にあると思います。
補足ですが、マーケティングの世界では、「人は冒険しない」「中身が分かってるものしか買わない」なんて言われるそうです。
「なにか他にもっと面白いものを!」といって自ら能動的に新規開拓をするのは、かなりしんどい作業です。
たまたま流れた動画や、ふと目に入った金曜ロードショーの一幕を見て、偶然と面白いものを手に入れるというのが、一般人の基本エンタメライフです。
ストーリーの展開ひとつひとつに、必ずと言っていいほど動機付けがついて回りますが、そのストレスを大きく軽減してくれるのは、本作のような「人によって解釈が分かれない出来事」です。
お腹が空いたら誰だって苦しいし、水着姿の美女が目の前を通れば、たいていの男は鼻の下を伸ばします。
また、以前このブログでも何度かお伝えした「上から目線の法則」にも通じるところですが、空腹やスケベ(お色気)、貧困(お金が欲しい)などの要素は、視聴者が圧倒的に上の立場に立てることから、とても便利な動機付けです。
「この菓子パンでもあげたら喜ぶんだろうなぁ~」
「ふふ、全く、みっともなく鼻の下伸ばしちゃって~」
「かわいそう、助けてあげたい…」
と、心からの感情が動きやすい領域と言えます。
つまるところ、自分が上位に立てる優越感とリラックス感です。
よく、マーケティングの世界で「オシャレ過ぎる店を作るとお客が遠のく」なんてことを言われますが、同じ理論です。自分に自信がなかったりすると、「入るのが恥ずかしい」と緊張してしまい、足が遠のいてしまいます。
人はストレスのない所に流れる性質があるので、安心できる所、自分の方が優位に立てる所を人は好むことから、視聴者の上から目線をデザインしてあげることは、各所で大切になってきます。
例えば、「人の役に立ちたい」「〇〇の夢を叶えたい」など、立派と思われる動機付けは、ある種、自分より上を行ってしまっている側面があるので、「嫉妬」や「自己否定」に繋がる部分があり、リスキーなのです。
で、ここで出て来る疑問は、「全部が分かりやすければ面白くない。キャラクターの個性が出ない」という部分だと思います。
もちろん、この辺りについても考察をしなければなりませんが、少し長くなりそうなので、次回の記事に後編という形で投稿させていただきます。
本作『シティーハンター』は、エンターテインメント性の高いコメディ作品でしたので、あれこれ考える難しい動機付けではなく、分かりやすい動機付けを主軸としていたことで、その面白さをとても高めていました。
以上、『シティーハンター』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
(また読んでね^^♪)
キャラクターの言動を説明する「動機付け」が重要!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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