【面白い物語.60】連続ドラマ『イカゲーム』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
現在、三連休最終日の夕方6時です。
連休に入る前の金曜日の同じ時間、あの時の歓喜は一体どこへやら。
(;-ω-)
今、猛烈にこの言葉を叫びたいです。
「時を戻そう」(ぺこぱ 風)
( ´,_ゝ`)
と、言っても時間は止まってくれません。
12時を超えればそこは社会の荒波、さぁ資本主義ゲームの再開じゃ!
٩( ᐛ )و ヤッタルデェェェェ
さて!
本日はさらにさらに辛くて厳しい命懸けのゲームに興じる、韓国メガヒットNetflixドラマのご紹介です!
『イカゲーム』
【基本情報】
■メディア:連続ドラマ(Netflix)
■ジャンル:サバイバル・ゲームドラマ
■放映話数:全9話
■発表年度:2021年
■製作の国:韓国
■映像監督:ファン・ドンヒョク
■脚本作家:ファン・ドンヒョク
■原作作家:ファン・ドンヒョク
■演出指導:ファン・ドンヒョク
■再生回数:1億4千万世帯
カン・セビョク役
演:チョン・ホヨン
(当時:27歳)
アリ・アブドゥル役
演:アヌパム・トリパティ
(当時:33歳)
ハン・ミニョ役
演:キム・ジュリョン
(当時:45歳)
ファン・ジュノ役
演:ウィ・ハジュン
(当時:30歳)
【ざっくりあらすじ】
金銭事情で窮地に追い込まれた人々は、ある場所へと招集される。
そこは賞金45億円を巡って、命懸けのゲームが繰り広げられる場所だった。
狂気の沙汰とも言える状況ながら、後に引けない事情を抱える参加者たちは、自分の命を賭してゲームに挑む。
【ちょっと感想】
面白い、圧巻の満足度です!
ヘビーな場面も多くありますが、やはり韓国エンターテインメント、恐るべしです!
出し惜しみしないテンポのいい展開と、登場人物の特徴や描き分けも素晴らしく、本当、久々に夢中な作品に出会いました。
追い込まれた人間はカッコなんかつけない、ストーリー描写でもこの辺りの大切さを再認識させられました。
2021年、Netflixでもっとも再生されたドラマです、是非ご覧ください!
追伸:女優チョン・ホヨン、マジで激推しです!彼女と同じ部屋で「夜明け(セビョク)」を迎えたい…。
【連続ドラマ】『イカゲーム』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、Netflix配信の韓国連続ドラマ『イカゲーム』のご紹介です。
世界的な反響があり、2021年度、無数の作品がアップされているNetflix内において、一番再生された超人気ドラマです。
繋がりのない人々がひとつの場所に集められて物語が展開される「群像劇」をベースに、追い詰められた人間模様が描かれ、いつ誰がどうやって死ぬか分からない緊張感が続く面白さです。
きちんと視覚化された惨殺シーンや、衝突と混乱をあおるように設計されたゲームルール、また休憩時間においても、食事を減らして、より追い詰める描写などもありました。
また、前半はあまりセリフの無いモブキャラがドカドカと強い視覚化の元で殺されていき、後半は主要キャスト陣が殺されて行くという、段階を踏んだ緊張感のデザインも無駄がなく素晴らしかったです。
キレイごとやイヤな守りを排除して、筋の通ったストーリー展開です。
本作は、狂気と狂乱の人間ドラマを主体として描くスタイルなので、ゲームルールは極めてシンプルにされていました。
ゲームルールやセオリー、戦略そのものを楽しむのではなく、ゲームを通じて、人間模様を混乱させるデザインです。
もちろん、ただのジャンケンだけで勝敗が決するのでは面白みが無さすぎるので、ちょうどいいバランスのルール配置でした。
登場人物たちが、命懸けのゲームにイヤでも参加しなければならない動機も、手抜きの無い描写があります。
さて、本作は追い詰められた人間たちの狂気乱舞が面白さの主体ですが、その味をとても高めてくれる「緊張感の凄惨の関係性」について解説、考察させていただきます。
「凄惨」とは「目をそむけたいような、むごたらしい様子」という意味です。
本作のゲーム最中には、数多くの惨殺が行われ、まさにそんな光景がたびたび広がっていました。
で、誰かが死亡する際、その殺され方がとても大事になってきます。
より緊張感を高めたい場合は、殺される側が強く抵抗することが必須です。
例えば、悪人がとあるヒーローを殺してしまう際、そのヒーローが、
「っふ、負けたよ。さぁやるがいい。いい人生だった。来世で会おう」と言いながらバーンと打たれて、カッコよく死んでも、そこまでの緊張感は生まれません。
(もちろん、そのキャラクターの重要度や立ち位置にもよりますが。)
これが逆に、悪人がある人質にしている民間人を殺そうとした際、
「イヤだーー!助けてーー!殺さないでー!!誰かぁあぁ!」と泣きわめきながらバーンと殺されてしまう方が、心にグッとくる感じです。
みっともなく、無様に命乞いをしながら、無念の内に死んで行く、これがとても凄惨具合や辛辣具合を高め、シーンを濃くします。
サイコ・サスペンスなんかでは、よく用いられる技法のひとつです。
で、本作が秀逸だったのは、殺す側にも、強い抵抗を生み出していたことです。
集まった人間は借金だらけではあるものの、そのほとんどが一般の民間人で殺し屋や犯罪者ではありません。
自分の借金を返済するためとはいえ、見知らぬ一般人を殺すことは、極めて抵抗があります。
「イヤだ、殺しなんてしたくない。でも、ここで殺さないと、俺は外の世界で借金取りに殺される…」という感じで、殺したくないとう気持ちの抵抗が強くデザインされていました。
特に、後半のビー玉ゲームでは、仲間と思ってペアを組んだ相手と殺し合いをしなければならない状況でした。
ただでさえ、人を殺したくないのに、次の相手は共に戦ってきた仲間だったり、ある程度のコミュニケーションを重ねた知人です。
ただの一般人だった人間に対して、さぁ、今から悪魔になれ、という無慈悲なゲームでした。
殺される側はもちろん、殺す側にも葛藤と凄惨を与えていたことが、物語としての性質を極限まで高めていました。
(日本作品でも『バトル・ロワイアル』なんかは有名だと思います。)
以上、『イカゲーム』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
強い抵抗を押しのけ断行するからこそ緊張感が高まる!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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