【面白い物語.61】映画『LIMIT OF LOVE 海猿 -UMIZARU-』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
「万が一に備えるのはいいけど、そればかりに目を向けて残りの9999をないがしろにするのはいかがなものか?」
by とある有名スピリチュアルブロガー
さて!
本日は万が一の事故でも安心、海の救世主こと、海上保安官たちがその雄姿を見せてくれる、おすすめデザスター映画のご紹介です!
『LIMIT OF LOVE 海猿 -UMIZARU-』
【基本情報】
■メディア:映画
■ジャンル:船舶デザスター・脱出劇
■放映時間:1時間57分
■発表年度:2006年
■製作の国:日本
■映像監督:羽住 英一郎
■脚本作家:福田 靖
■原案作家:小森 陽一
■原作作家:佐藤 秀峰
■興行収入:約71億円
【ざっくりあらすじ】
総勢620名を乗せた大型フェリー船が、事故で座礁してしまう。
沈没の恐れがある中、海上保安官(海猿)である主人公たちは救出に向かう。
婚約者が涙で見守る中、主人公たちは命懸けの脱出劇を繰り広げる。
【ちょっと感想】
迫力満載な映像とハラハラドキドキが味わえる良質な作品です。
最後には助かることが分かっていながら、ここまで没頭させる作品力はとても素晴らしいです!
海老原真一(演:吹越満)のキャラとあのカミングアウト、そして最後に魅せる漢気!
いやぁ、エモい♪
マンガ原作の数少ない実写化成功例、計第4弾まで映画化された大人気シリーズを是非ご覧ください!
追伸:
先日、ミスした案件を自分で処理せず、ボクに押し付けて来た奴がいましたので、タメ口でブチ切れました。
~LIMIT OF PATIENCE~
【映画】『LIMIT OF LOVE 海猿 -UMIZARU-』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、日本で人気を博したシリーズ第2弾『LIMIT OF LOVE 海猿 -UMIZARU-』のご紹介です。
実際に海上保安官としての訓練を耐え抜いた俳優陣のリアリティある演技は必見です。
シリーズを通して、デザスター(災害もの)とラブストーリーの2本柱であるのが特徴の作品ですが、それぞれにいて大きく邪魔になっていないバランス感覚も秀逸だと感じます。
ピンチ度合いの演出に関しても、
・救出対象者をケガ人と妊婦に設定していたことで、上手くハンデもデザイン。
・閉じ込められた場所から脱出するには1分30秒の潜水が必要(=数値化で分かりやすい)
・救助されるには、大人を抱えて何十メートルものハシゴを登らなければいけない(=映像での視覚化)
などなど、あちこち丁寧な描写がとても好印象です。
さて、本作の真骨頂は、緊張感あふれるピンチの連続や、スペクタクル感満載な映像美です。
(あとラブロマンス。)
そんな中、本項では、作中で演出されていた、ある素晴らしいシーンの効果について解説、考察させていただきます。
そのシーンとは、主人公の仙崎大輔(演:伊藤英明)たちが船の中に閉じ込められた後の、作戦本部でのシーンです。
幹部たちはホワイトボードに模造紙を張り、仙崎たちがいる場所を中心に、すでに浸水してしまった場所を青色で塗りつぶしていました。
実はこれがとても効果的で、本当に逃げ道や対策がないピンチであることを、視覚的に教えてくれています。
以前、『スピード2』という作品でも考察させていただきましたが、船舶ものの災害映画(特に大型船舶)は、緊張感を描くのには少し不利な側面があります。
例えば、
「事故です。逃げて下さい!」といってピンチを煽っても、見ている側としたら、
「こんな大きな船ならどっか逃げ道あるでしょ」
「何かしらの設備あるでしょ」
「海においても助けが来るまで浮いてればワンチャンありじゃね?」
などなど、どうしても緊張感が薄らいでしまう要素が多いのです。
悪く言えば「言ったもん勝ち」の状態です。
視聴者のほとんどが、船舶や海に関しての専門知識がない(悪く言えば無知)なので、こういった思考が浮かんでしまいがちです。
しかし、あの模造紙があったおかげで、完全に周囲は浸水してて、完全に閉じ込められていることが一目瞭然です。
そして、逃げるためには、ケガ人と妊婦を抱えて長時間潜らなければいけないというガチでヤバい状況であることを素人の人にも分かりやすく示してくれていました。
そんな簡単なことか、と感じるかもしれませんが、これが船舶もののハンデを大きく軽減しています。
特にシージャックものと違って、悪役や犯人がおらず、ずっと意識は脱出や災害の被害に向いている状況なので、この辺りの配慮はとても繊細かつ重要になってきます。
冒頭に挙げたピンチの演出も含め、全体を通して、見入ってしまう緊張感とスペクタクル感が楽しめる作品だと考察します。
以上、『LIMIT OF LOVE 海猿 -UMIZARU-』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
ピンチを納得させるためには様々な工夫と演出がある!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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