【面白い物語.50】映画『プロジェクトA』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
さぁさぁ、ついにやって参りました、記念すべき50記事目!
いやぁ、大変でしたけど、あっという間でしたねぇ~。
( ´∀`)
「頑張って100本更新しようプロジェクト」も折り返しです。
そして、「ボクこんな風に物語論の研究してる人なので、新人賞でボクの作品を選ばないと見る目がないって思われるますよ?だからボクの作品を大賞に選抜して賞金をボクに下さいプロジェクト」もいよいよ本格始動な訳です!
どうも、名誉と賞金のためなら、姑息と上から目線をいとわない男、みやごんです。
(・∀・) ニヤニヤ
さて!
本日はボクと同じくらい名誉ある素晴らしいプロジェクトに命を懸ける男たちがキレッキレのカンフーを見せる、おすすめ香港映画の名作をご紹介です!
『プロジェクトA』
【基本情報】
■メディア:映画(アジア)
■ジャンル:カンフー・アクション
■放映時間:1時間46分
■発表年度:1983年
■製作の国:香港(イギリス領香港)
■映像監督:ジャッキー・チェン
■脚本作家:
ジャッキー・チェン
エドワード・タン
■興行収入:約28億円
海上警察司令官役
演:ラウ・ハクスン
(当時:73歳)
【ざっくりあらすじ】
海賊が横行する時代、主人公が率いる水上警察は、いつも海賊たちを取り逃がしていた。
ついには、犬猿の仲である陸上警察に組織ごと吸収されてしまう。
ある時、たイギリス海軍の提督までが海賊に捕まってしまい、乗組員たちと共に人質に取られてしまった。
主人公の熱意で水上警察は復活となり、人質救出と海賊逮捕目的のため「プロジェクトA」が始動される。
【ちょっと感想】
アクションの中にコメディを織り交ぜるジャッキーワールド炸裂の名作です!
雑技団レベルのアクションが売りのジャッキーですが、あの時計台から落下するシーンはとても有名ですよね。
(ガチの失敗で落下してるそうです。)
ジャガー(演:ユン・ピョウ)との友情の下りもエモエモ。
温度のある演出にはバランス感覚が重要であることは、とても勉強になりました。
日本未公開を含め、無数にあるジャッキー映画の中でも、間違いなく5本の指に入るであろう傑作を、是非ご覧ください!
追伸:
ボクの会社では、いつも「挑戦」という名目で、現場に実験的なプロジェクトを無理やりねじ込んできます。
当然、地に足がついてないので、不完全で無意味で業務の弊害になるようなものばかり。
まさに「プロジェクトA(ありえない)」です。
【映画】『プロジェクトA』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
本日は、83年発表の香港映画『プロジェクトA』のご紹介です。
数あるジャッキー映画の中でも、まず彼の代表作として挙げられるほどの名作です。
「ジャッキー・チェン」「サモ・ハン・キンポー」「ユン・ピョウ」、という、3人のカンフースターが、若かりし頃に夢の共演を果たしたことは、後世に伝えられてくでしょう。
40年近く前の作品であることから、レトロな映像運びに少し違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、アクション、コメディ、友情など、いろいろなエンターテインメント要素が詰まった楽しめる展開です。
本項では、少し基本に戻って、物語論でよく論じられる「動機付け」について復習をかねた考察と解説をさせていただきたいと思います。
「動機付け」とは、登場人物たちの言動の理由です。
例えば、
・お腹が空いたから食べる。
・お金が必要だから働いた。
・誘拐されたから助けに行く。
などなど、当たり前といえば、当たり前の部分です。
当然、視聴者は登場人物たちの心が読める訳ではないので、しっかりと説明する必要があります。
これらをすっ飛ばしてしまうと、意味不明となります。
例えば、
ある所にお腹を空かせた女子高生がいました。
ゲッソリとしてて、今にも倒れそうです。
そこで、目の前にごちそうを並べてあげました。
すると、その女子高生は「ふざけるな!」と激怒して去って行きました。
と、こんな感じで終わってしまっては、支離滅裂です。
しかし、実はその女子高生は好きな人がいて、その人が細身女性が好きなので頑張ってダイエットをしていました。
せっかく我慢してたので、目の前にごちそうを出されて余計に苦しくなったから激怒した、なら「なるほど」となる訳です。
で、この「動機付け」ですが、大きく分けて2種類存在します。
それは、「状況を理解してもらうための動機付け」と「心の温度を理解してもらうための動機付け」です。
「状況を理解してもらうための動機付け」は、先ほど説明した部分です。
要は、理屈やロジカル、理論的な部分で、ストーリー展開をきちんと理解してもらうための説明書的役割の部分です。
言うなれば、感情がない部分とも言えます。
そして、もう一つが「心の温度を理解してもらうための動機付け」です。
これは、心や温度、気持ちや個性的な感情の部分です。
例えば、
・自分と同じ夢を持っていたから仲良くなった。
・普段は不良だけど、雨に濡れる子猫を拾っていたからときめいた。
・ライバルの強い正義心を見て見直した。
などなど。
要は、表向きな言動ではなく、心の中の動きを表現する部分です。
本作『プロジェクトA』ではまさに、主人公ドラゴンを毛嫌いしていたジャガーが、ドラゴンの捨て身の行動を見て、見直し、以降は戦友として協力するという展開でした。
で、この2種類の「動機付け」は両方とも大切なのですが、使い分けとバランスが重要になってきます。
「状況説明の動機付け」は基本、全部の言動に必要で、丁寧に分かりやすく描く必要があります。
(プロットの都合上、あえて隠す場合もありますが。)
しかし、「心情説明の動機付け」は、連発するのはNGです。
エッセンス的に、「ここぞ」と言う時に、さり気なく入れるのがベストです。
「状況説明の動機付け」が、視聴者に対する説明義務であるのに対し、「心情説明の動機付け」はどちらかというと、付加価値だったり、センスや力量の見せどころなので多用し過ぎると押しつけがましくなる傾向があるためです。
本作では、説明した通り、ドラゴンとジャガーの友情展開や心の変化が見事に演出されており、大きなものはこれひとつだったと思います。
やはり、最初は敵だった人間と仲直りして協力しながらもっと大きな敵に向かうというのは、ストーリー上でもかなり大きな高揚感を生む鉄板プロットで、グッと心が掴まれる演出です。
ベースは目を引くアクションやコメディ、緊張感を演出しながら、とてもバランスの取れた動機付けがされていたのが、とても素晴らしい作品でした。
以上、『プロジェクトA』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
ストーリーの「動機付け」には大きく分けて2種類ある!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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