【面白い物語.49】映画『ローマの休日』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
数年前のクリスマスのことです。
彼女の存在を隠していたボクと、お友達の家で女子会をすると言っていた母は、
クリスマス当日に同じホテルで鉢合わせしました。
(マジでガチの実話です。)
こんな伝説級のすべらない話、誰も持っていませんでしょ~?
(゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ\/\/\
さて!
本日は映画史にその伝説を刻む、誰しもが知るであろう不朽の名作をご紹介です!
『ローマの休日』
【基本情報】
■メディア:映画(クラシック)
■ジャンル:ラブ・ロマンス
■放映時間:1時間58分
■発表年度:1953年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:ウィリアム・ワイラー
■脚本作家:
ダルトン・トランボ
イアン・マクレラン・ハンター
ジョン・ダイトン
■興行収入:約7.2億円
アン王女役
演:オードリー・ヘプバーン
(当時:24歳)
ジョー・ブラッドレー役
演:グレゴリー・ペック
(当時:37歳)
アーヴィング・ラドビッチ役
演:エディ・アルバート
(当時:47歳)
ヴィアルバーグ伯爵夫人役
演:マーガレット・ローリングス
(当時:47歳)
マリオ・デラーニ役
演:パオロ・カルリーニ
(当時:31歳)
【ざっくりあらすじ】
王女であるヒロインは過密スケジュールと自由の無い生活にうんざりしていた。
密かに城を抜け出し、休日を楽しむヒロインは、街中で偶然、主人公(新聞記者)と出会う。
主人公はその女性が王女であることを知り、大スクープをものにしようと、正体を隠し彼女に付きまとう。
しかし、王女の純真無垢な美しさと、活き活きと休日を楽しむ天真爛漫な姿を見て、次第に実らない恋心を膨らませていく。
そして、王女もまた、主人公に対し確かな恋心が芽生えさせていた。
【ちょっと感想】
いやぁ~、なんていうんでしょうか、このクオリティ。
静と動、それぞれに気品を宿すなんともオシャレ、かつ面白い映画です。
いや、何と言っても、オードリー・ヘプバーン、可愛い!
この作品、高校生の時に、学校の先生が初めて見せてくれたのですが、大人になって見返しても、やはり名作というものは色あせないものなんですねぇ。
これだけ穏やかな展開にも関わらず、ラストの記者会見のシーンの緊張感たるや。
「言葉にならない」とはまさにこのことなのでしょうか。
可愛らしい女性を描く際は、アン王女を参考にしたいと思います。
(描ける自身ないけど…笑)
最後にまで金に目が眩んでいたアーヴィングがとった行動なんて、エモエモです!
1950年代に制作された映画ながら、いまだその名声を轟かせる理由を、是非その目でご覧の上、お楽しみください!
追伸:Mrs.オードリー・ヘプバーン、どうか天国でも素敵な休日をお過ごし下さい。
【映画】『ローマの休日』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
もはや、この作品名を聞いたことないという方はいらっしゃならいのではないでしょうか。
「銀幕の妖精」こと「オードリー・ヘップバーン」の出世作であり、映画史に名を刻む超名作です。
彼女の圧倒的な魅力が、本作の魅力であることはいうまでもありませんが、プロットの側面を見ても、お互いに秘密を抱えたすれ違い劇や駆け引き、感情移入しやすい悲恋型の恋模様、アン王女の成長過程など、王道的な面白さが満載です。
恐らく、ラブストーリーの鉄板ジャンルの一つである「身分差もの(ステータス・ギャップ)」において、最古の大ヒット作品ではないでしょうか。
窮屈な王宮生活に嫌気がさして、抜け出すというワガママを断行した王女でしたが、やっと手に入れた自由や、恋した男性にすがることなく、自身に与えられた王女としての使命を思い出し、自ら王宮に戻りました。
その上で、最後は「ローマが一番です」という強さと心の自由も発揮しています。
なんとも、気品に溢れた演出でしょうか。
あの時、ジョーとアン王女が見つめ合うシーンは、他では味わえない緊張感がひた走ります。
さて、すでにいろいろと魅力を語ってしまいましたが、本項では本作『ローマの休日』の実力を語ることをベースとしながら、「登場人物数の最適解」という部分について、解説、考察させていただきます。
平たく言うと、「登場人物は何人が一番いいか?」という問いです。
結論、「そのストーリー内容による」です。
と、こんな当たり前のことを言っても始まらないので、今回は本作『ローマの休日』を元に、少し深堀していきたいと思います。
まず、ストーリーを描く上では、複数のキャラクターが出てきます。
で、普通は、ストーリーの展開に最低限必要な人数より、多めに出すのがセオリーです。
理由としては、「多くのターゲットを取り込むため」です。
当然、作品を見る人は多いので、見る人の数だけ、趣味嗜好は異なります。
それぞれの趣味を、ストーリー展開だけでまかなうのは、かなり無理があるので、手っ取り早く、いろいろな登場人物を出すことで、その辺りを穴埋めできます。
可愛い女の子が好きな人もいれば、たくましい男が好きな人、子どもが好きな人もいれば、渋い老人キャラが好きな人もいます。
要は、その人の推しメンを見つけてもらいやすくするためです。
とても残念なのですが、昨今の作品(特に映画)では、明らかに必要のないキャラクターが多く出てる作品が目立ちます。
(大人の事情なのでしょうが、一人の大スターを形式上の主人公にして、実際にメインで映るのは無名の俳優陣。スターの名前で一定の視聴者を集め、他の売れてない俳優さんたちの名前と顔を売る作戦なのかと…)
もちろん、物理的な計算として、登場人物が増えれば、その分、一人当たりの出演時間は減り、薄まります。
逆に、少なすぎると、ずっと数人が映り続け、飽きられます。
要は、結局のところ、バランスが大事だということになります。
もし、登場人物を少なくするなら、その分、濃いキャラクターだったり、魅力的なキャラクターでないと、成り立ちません。
その観点で本作を見てみると、ストーリー上でメインキャストとした扱われたのは、僅か3人+@だけでした。
■アン(オードリー・ヘプバーン)/王女
■ジョー・ブラッドレー(グレゴリー・ペック)/新聞記者
■アーヴィング・ラドビッチ(エディ・アルバート)/写真家
しかも、ストーリー展開としても、オーソドックスな秘密劇や駆け引きはあるものの、そのほとんどは、街を観光するだけという、何とも平穏なものでした。
数分の乱闘騒ぎを覗き、ド派手な展開は皆無です。
物語にとって必要な「緊張と緩和」という部分において、これだけ武器が少ないにも関わらず、これだけの面白さを放っていたのは、やはり、オードリー・ヘプバーン演じるアン王女の魅力でした。
髪を切るシーン、タバコを吸うシーン、花を買うシーン、真実の口での出来事、その何でもない一挙手一投足を引き付けていたのが、本作の真骨頂であり、「アン王女の愛らしさ」という力技が、そられを成していたと言えます。
以上、『ローマの休日』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。ご高覧くださり、ありがとうございました!
登場人物の数はバランスが命!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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