【面白い物語.54】マンガ『HUNTER×HUNTER』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
やってきました、3連休!
ビバッ、スポーツの日!
\( ‘ω’)/ ヒィヤッハァァァァァァァア!!!
いやぁ、嬉しいですねぇ~、今日は飲みに行こうかなぁ~。
(*´艸`)ムフフ
が、しかし。。。
この歓喜もすぐに終わるんですよね。。。
(꒪ꇴ꒪〣)ガーン…
休日君、本当に名残惜しいよ…。
ボクらはまたやがて、君から旅立たなければいけないんだなぁ…。
「8時ちょうどのぉ~、アラーム音でぇ~、私は私はあなたからっ、旅立ちぃ~ますぅ~…」
by 狩人
さて!
本日はとんでもなくスゲェ連中がしのぎを削る狩人の世界を舞台にした、超おすすめ少年マンガ作品のご紹介だぁー!
『HUNTER×HUNTER』
【基本情報】
■メディア:マンガ(週刊連載)
■ジャンル:ハイ・ファンタジー/バトルアクション
■発行巻数:36巻(2022年10月現在)
■発表年度:1998年~
■製作の国:日本
■原作作家:冨樫 義博
■掲載雑誌:週刊少年ジャンプ(集英社)
■メディア:映像アニメーション
■放映話数:
TVアニメ第1作:全 62話
+続編OVA:全 30話
TVアニメ第2作:全148話
■放映期間:
TVアニメ第1作:1999年~2001年
+続編OVA:2002年~2004年
TVアニメ第2作:2011年~2014年
キルア=ゾルディック
声:三橋 加奈子 & 伊瀬 茉莉也
レオリオ=パラディナイト
声:郷田 ほづみ & 藤原 啓治
アイザック=ネテロ
声:外波山 文明 & 永井 一郎 & 銀河 万丈
【ざっくりあらすじ】
主人公の少年はまだ見ぬ父に会うため、ハンターという職業を志す。
厳しいハンター試験への合格を目指し、旅に出る。
道中、さまざまな仲間との出会いや、試練に遭遇し、成長しながら父の行方を追う。
【ちょっと感想】
TV番組で特集されればバズり、YouTubeで取り上げられれば1000万回越え、原作者の冨樫先生がSNSを始めればたちまち数十万のいいね、まさに、超絶なる人気を象徴しています。
これだけ休載が繰り返されながら、それでも打ち切りにならないのも、やはり圧倒的な実力のなせる業なのでしょうか。
当時、コンビニでアルバイトをしていたボクは、本作が連載開始になる時のジャンプが大量に入荷され、レジ前に積み上がっていたことを鮮明に覚えています。
個人的にはネテロ推しなのですが、百式観音の衝撃は未だに忘れられません。
キャラクターの魅力を設定レベルで押し上げる業の妙は、とても勉強になりました。
あまりの人気具合から、ラフ画のまま雑誌に掲載されたほどの伝説を持つ作品です、是非ご覧ください!
追伸:
実はボクも「緋の目」を発動できるんですよ!
そうです。お察しの通り、仕事のし過ぎで目が充血してるだけですけど。
【マンガ】『HUNTER×HUNTER』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は週刊少年ジャンプに連載されている大人気マンガ『HUNTER×HUNTER』のご紹介です。
色々といわく付きの作品ではございますが、その人気から、面白さが保障されている名作です。
細部まで徹底的に作り込まれた世界観やルール、筋の通った個性のあるキャラクター、ワクワクとハラハラの止まらない展開技術、などなど、枚挙にいとまがありません。
ヒソカみたいなキャラクターを完成度高く仕上げるのは、本当に難しいと思います。
さて、本作はゴリゴリの少年マンガということで、そのジャンルに特化した面白さをいろいろと体現しているのですが、その中でも、「舞台設定と肩書」という側面について、解説、考察させていただきます。
まず結論を平たく言うと「スゲー世界観を作って、そこにキャラクターを登場させることで、自動的にスゲーキャラクターに仕立て上げる」ということです。
本作で言うと、まさにハンターという職業、そしてハンター試験がそのものです。
誰しもが憧れる夢の職業、取得したハンターライセンスは、売れば7回分の人生が遊んで暮らせるほどの希少価値。
世界中の猛者たちが我先にとプロハンターになることを目指しますが、作中では、その試験会場にたどり着くことすら、超難関な試験です。
つまり、実際にプロライセンスを持ってるハンターは、超すごい、めちゃくちゃ強い、尊敬できる人間ということがイコールになります。
要は、ハンターという舞台を設定したことで、超すごい肩書を持つ、尊敬できるキャラクターを、効率的に量産できるということです。
作中で新キャラが出て来る都度、「この人はプロのハンターなんだ!一体どんなスゴイ人?どんな能力者?」など、自動でトキメキが生成されていきます。
そして、「ハンター」という世界フィールドが構築されるので、当然、ライバルもたくさん配置可能です。
この「舞台(または関係)設定と肩書」は、少年マンガ等では、とてもメジャーな表現技法です。
例えば、
・選ばれた人間しか招待されない闇の地下トーナメント。
・最強の宿敵が恐れた幻の戦士。
・最強の宿敵が自身のチームメンバーに選んだ謎の戦闘員たち。
・地獄のサバイバル訓練を生き抜いた精鋭戦士たち。
などなど、描き方はいろいろです。
本作で言うと、主人公ゴンの親友である殺し屋のキルアが、「オレの親父が過去に一度、幻影旅団のメンバーを殺ってるんだ。その時、”旅団は危ないから手を出すな”って言ってた」というシーンがあります。
ここでも、「超強いキルアの父親シルバであるは、さらに強い。そのシルバが強敵と認める幻影旅団ってどんだけ強いんだよ!?」といった感じ。
『ドラゴンボール』なんかでも、凶悪で強敵のベジータが、ナメック星に来たギニュー特戦隊にメチャクチャびびってるシーンがありましたが、これもその類です。
やはり、少年マンガとしては、「強いのは誰だ?」「どっちが勝つんだ?」というバトルが大きな醍醐味なので、スゲー奴らをたくさん出して、そいつらを戦わせて、熱いアクションバトルを繰り広げるのが、セオリーになってきます。
それら「すごい奴」の肩書を手っ取り早くするのが、世界観や舞台設定をデザインして、登場人物たちに効率よく「肩書」を与えるのが、本技法となります。
但し、ただ世界観を創れば言い訳ではありません。
深い納得や感心のある言動や会話、パフォーマンスや展開、ある程度の過激描写などが必要です。
要は「おぉ~、なるほどぉ~!」と思わせるような強い説得力を盛り込まないといけません。
この辺りはもう、センスの勝負です。
バトルアクションとは違いますが、最近の変わり種としては『死役所』なんかも、この亜種です。
(ここにいる職員は全員、元死刑囚!?一体どんな過去が!?という感じ。)
で、本作においては、物語の冒頭で「ハンター試験」を描いていたことが、とても秀逸な導入でした。
少年マンガなどでは、通常、最初は何者でもなかった主人公が、だんだんと修行や練習を重ね、一人前になって、すごい奴らがうごめく世界に身を投じるのがセオリーです。
しかし、この「練習」や「修行」の展開はどこか退屈で、面白さを演出するのは少々不便です。
かといって、最初からスゴイやつが出て来て、すごい世界に身を投じては、飛ばしすぎです。
(成長過程が描かれないので、かわいげを感じにくく、気持ちを共鳴させることが難しいです。)
そこで、本作が取っていたのは「ある程度すごい奴らを集めて、難しい試験を行わせ、そいつらに競わせる」です。
この方法なら、本格的にすごい奴らがうごめく世界に入る前段階において、キャラクターたちに気持ちを添わせる時間が生まれ、かつ、強くなるための「修行」や「練習」の下りは不要です。
愛着が湧く「すごくなるまでの成長過程を知ってる」キャラクターはここで量産し、「カリスマ的な魅力がある最初に出て来た時からスゲー奴」は、今後の展開で出せば、一石二鳥です。
力量を試す「試験」なので、ゲーム性も高く、展開としても退屈しません。
もちろん、ハンターという世界観をじっくり説明する役割も担うことができ、一石三鳥となっていました。
この「ハンター試験」はあくまで試験であり、これを合格した先の世界には、もっとすごい世界が広がっているという、ワクワクの演出まで、兼ねていました。
途中過程を面白くしつつ、壮大かつ超効率的な「ツカミ」「世界観の説明」「キャラクター紹介」「仲間や関係性の構築」が実現していたと言えます。
無論、これだけのゲーム性の高い試験を考えたり、ハンター能力や舞台設定などを構築するのは、尋常ではないセンスと力量があって、初めて成立するものと言えるでしょう。
「ハンター」という設定題材が、少年心をくすぐる「未知」や「お宝」「冒険」「強敵」なんてものが総合的にハイセンスで組み込まれており、単純なバトルアクションにとどまらないということは、言うまでもありません。
以上、『HUNTER×HUNTER』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
**2022/11/20補足追記**
ハンター試験や、特に「グリードアイランド編」などでは、ゲームの起用が秀逸な設定でした。
ヒソカ=モロウ、ビスケット=クルーガー、レイザー、ツェズゲラ、など。
早々たる強敵が集まりながらも、ドッヂボールという一定の縛りがあるゲームルール上で戦わせることによって、「本当に強いのはこの人!」という結論が出てしまうこと防いでいます。
少し姑息な手法に取られるかもしれませんが、ストーリーの構成上は必要ですし、直接的な試合では見られない多様性も見せることが出来ます。
(ルール上での振る舞い、チームメンバーとのやり取り、頭脳派か感情派か、など)
それらの攻防戦を見ることで、「この人たちが実際にルール無しの真剣勝負になったら、一体誰が最強なんだ!?」というワクワク感も生まれます。
世界観の設定でキャラクターに「肩書」を与えることが出来る!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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