【面白い物語.55】映画『エンド・オブ・キングダム』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
「人生とはぜーんぶ自己責任だ!」なんて言いますよね。
けどさ、人って、一人では生きていけないじゃない?
必ず誰かの助けを受けて成長するじゃない?
そう考えると、今、このブログを読んでくれてるアナタも、誰かの助けにならないといけないんだと思いますよ。
例えば、必死に社畜生活から抜け出そうとして、面白いエンタメを紹介するブログをせっせと更新してる人とかさ…。
(もう何でもいいから、とにかく、誰か助けてくれや。)
(´◉ω◉` ) ジーーーーーーーー
さて!
本日はとある男前が最高権力者である大統領を助けてしまう、おすすめスペクタクル・デザスター作品のご紹介です!
『エンド・オブ・キングダム』
【基本情報】
■メディア:映画
■ジャンル:テロリズム・アクション
■放映時間:1時間39分
■発表年度:2016年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:ババク・ナジャフィ
■脚本作家:
クレイトン・ローテンベルガー
カトリン・ベネディクト
クリスチャン・グーデガスト
チャド・セント・ジョン
■興行収入:約90億円
マイク・バニング(大統領警護隊長)役
演:ジェラルド・バトラー
(当時:47歳)
ベンジャミン・アッシャー大統領役
演:アーロン・エッカート
(当時:48歳)
リン・ジェイコブス(シークレットサービス長官)役
演:アンジェラ・バセット58歳
(当時:58歳)
アラン・トランブル(副大統領)役
演:モーガン・フリーマン79歳
(当時:79歳)
アミール・バルカウィ役
演:アロン・モニ・アブトゥブール
(当時:51歳)
カムラン・バルカウィ役
演:ワリード・ズエイター
(当時:45歳)
ジャクリーン・マーシャル(MI6捜査官)役
演:シャーロット・ライリー
(当時:35歳)
ケビン・ハザード(総監)役
演:コリン・サーモン
(当時:54歳)
ジョン・ランカスター(MI5長官)役
演:パトリック・ケネディ
(当時:39歳)
リア・バニング役
演:ラダ・ミッチェル
(当時:43歳)
【ざっくりあらすじ】
イギリス首相が急逝し、現地では国葬が行われることになる。
主人公はアメリカ大統領と共に国葬参加のため現地に飛ぶが、そこでテロ攻撃に遭う。
主人公は異国の地でたった一人、大統領を守るために戦うことになる。
【ちょっと感想】
『エンド・オブ・ホワイトハウス』の続編です。
前作に続きしっかりと質のいい山場があり、内容も難しすぎず、楽しめます。
主人公バニングの丁寧な魅力の演出はとても勉強になりました。
やはり、丁寧な作品というのは違いますね。
いちモブキャラに過ぎないはずのヴォイトも、作中で何度も名前を呼ばれるあたり、細部の魂を感じます。
第二作目ながら、衰えない面白さ、カッコよくもド派手なドンパチアクションを楽しみたい方は、是非ご覧ください!
追伸:全員が納得できる「国葬」が送れる、そんな国になるといいですね。
【映画】『エンド・オブ・キングダム』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回のご紹介作品は、テロリズム・アクション映画『エンド・オブ・キングダム』です。
2022年8月にご紹介した『エンド・オブ・ホワイトハウス』の続編で第2弾です。
スペクタクル・デザスター(テロ)・アクションとして、前作を引き継いだ面白さでした。
「まぁ、最終的にはどうせ助かるだろう」との想定下ではありますが、途中でさまざまな展開があり、もろもろと飽きさせない展開でした。
本項では、プロット術において、特に秀逸だと感じた、「展開と説明の融合」について考察、紹介させていただきます。
簡単に言うと「メチャさり気なく、キャラクターの魅力を演出していた」という部分です。
順を追って説明させていただきます。
まず、本作は異国イギリスで集団テロに遭い、主人公のバニングと大統領のベンジャミンが現地で取り残されました。
追ってくるのは用意周到に計画しゴリゴリの装備を抱えたプロの傭兵たち。
頼みの綱は主人公のバニング特別捜査官ですが、いくらシークレットサービスの凄腕でも孤立無援、多勢に無勢な戦況でした。
言葉だけで「優秀だ!」といくら語っても、この絶体絶命な状況では、さすがに頼りがいに欠けてしまいます。
そこで、「この男なら、もしかしたら本当に、ちゃんと大統領を守り抜けるかもしれない!」という説得力の補足(説明)が必要でした。
で、本作では、バニング特別捜査官の優秀ぶりが、あちこちでさり気なく描かれています。
例えば
・「嫌な予感がする」という僅か2秒のセリフに百戦錬磨の第六感が光る。
・警備兵と遭遇するも、その武器の多さからテロリストの一味と見破る洞察力。
・助けに来た軍隊が汗をかいていないことで敵勢と見破る注意力。
このような描写があると、「実力と経験がなせる業だ!」とさりげなく本物感が増し、その頼りがいに説得力が増します。
この辺りは、見てる視聴者が頭で意識するのではなく、無意識に心のすき間に入り込むような描写なので、かなり繊細な部分です。
加えて、この描写がとても秀逸だったのは、「そのまま展開としても利用されていた」ということです。
・「嫌な予感がする」→テロ発生の予兆と実現。
・警備兵をテロと見破る→助けを求めるのではなく武器を奪い戦力強化。
・救出部隊を敵のテロ部隊と見破る→即座に必死の逃走を図る。
バニングのすごさを象徴する描写が、そのまま物語の流れに乗る形で、次の展開へとつながっていました。
要は、流れを止めず、逆らわず、さりげなーく、すごさをアピールしていたということがポイントです。
逆に、少々雑な描き方では、物語の流れを止めたり、遮って言葉やセリフでアピールしがちです。
・何気ない会話の中で「彼は名誉勲章を2度受賞した」という関係ない過去が語られる。
・着替えの際、たまたま身体の古傷が露になり、それにまつわる過去の武勇伝が語られる。
・武器を選ぶときに、直接展開とは関係のない武器の特色や知識を語る。
いわゆる、説明調であったり、自分語りの自慢話なので、どこか押しつけがましく、白けがちです。
(本当、赤の他人や同僚、知り合いの自分語りや自慢話はガチの人災で高ストレスです。)
こういった、手の込んでない雑なマニュアル説明を流れを止めて無理やり突っ込むのではなく、スマート、スムーズに、さり気なく、バニングのすごさをアピールすることが、とても秀逸な描写でした。
この辺りの丁寧さが、作品全体に散りばめられており、面白さとしての底力が上がっていたと考察します。
以上、『エンド・オブ・キングダム』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
キャラのすごさはさり気なく流れを止めずアピールせよ!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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