【面白い物語.43】マンガ『アイシールド21』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
本当に人生っていろいろですよねぇ~、島倉千代子さんは本当にいい歌を歌われています。
生きていれば困難や壁にブチ当たることなんて当たり前です。
その都度、「逃げるな、立ち向かえ!」と言われてきました。
でも、でもですよ!
今回ご紹介する作品のように、逃げることを極めたからこそ、始まる素敵な青春物語もある訳で。
なので、本当に無理だと思ったら、疲れたら、辛かったら、みなさん、逃げましょう!
(もちろん、これが会社と仕事から逃げることを正当化する言い訳であることは内緒です。)
ニヤ(・∀・)ニヤ
そんな訳で!
今回は気弱な高校生がその逃げ足を活かし、壮大な舞台で大活躍する、バチクソ青春アツアツおすすめジャンプマンガ作品のご紹介です!
『アイシールド21』
【基本情報】
■メディア:週刊連載マンガ
■ジャンル:スポ根青春ドラマ(アメフト)
■発行巻数:全37巻(全333話)
■発表期間:2002年~2009年
■製作の国:日本
■作画作家:村田 雄介
■原作作家:稲垣 理一郎
■映像監督:
西田 正義(第1話~第103話)
片貝 慎(第104話~145話
小早川 瀬那(こばやかわ せな)
声優:入野 自由
(当時:17歳)
姉崎 まもり(あねざき まもり)
声優:平野 綾
(当時:18歳)
蛭魔 妖一(ひるま よういち)
声優:田村 淳
(当時:32歳)
栗田 良寛(くりた りょうかん)
声優:永野 広一
(当時:39歳)
武蔵 厳(たけくら げん)
声優:小山 力也
(当時:42歳)
雷門 太郎(らいもん たろう)
声優:山口 勝平
(当時:40歳)
雪光 学(ゆきみつ まなぶ)
声優:堀田 勝
(当時:25歳)
進 清十郎(しん せいじゅうろう)
声優:郷本 直也
(当時:25歳)
金剛 阿含(こんごう あごん)
声優:桐本 拓哉
(当時:38歳)
峨王 力哉(がおう りきや)
声優:小山 剛志
(当時:38歳)
パトリック・スペンサー
声優:鯨井 康介
(当時:18歳)
【ざっくりあらすじ】
いじめられっ子な男子高校生が、ひょんなことから高校のアメフト部に入部することになる。
いじめから逃げ続けることで自然と鍛えられた瞬足を持ち味に、アメフト選手としての才能を徐々に開花させていく。
増えていく仲間、立ちはだかる強敵、そして再戦となる最大の宿敵。
それぞれの想いを抱えた高校生たちは、アメフトを通じて青春と情熱を燃やしていく。
【ちょっと感想】
熱い、熱い、熱いです!!!
エモい、エモい、エモいです!!!
アメフトというマイナースポーツを題材にした上でここまで引き込ませてくれる作品の技術力に感服です♪
これだけのキャラクターが登場する作品に必要な労力なんてはかり知れませんが、しっかり個性分けもされてますし、感服です…。
イケメンで有能でありながらも、しっかりと憎たらしい金剛阿含において、ヒール(悪役)のデザインを学ばせていただきました。
アメリカンフットボールのルールを知らなくても、見たこと無くても、熱い青春ストーリーの面白さを味わえる名作を是非ご一読ください!
追伸:「社畜は福利厚生には頼らねぇ!!! Ya-! Ha-!」
【マンガ】『アイシールド21』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、週刊少年ジャンプにて約7年に渡り連載された人気スポーツマンガ『アイシールド21』のご紹介です。
感想の部分では熱を上げてしまいましたが、相応しく、情熱がたぎる作品です。
『SLAM DUNK』同様、制作者の方々の熱量としか言いようがないのですが、熱い気持ちにさせてくれる名作です。
長期連載マンガ作品であり、実にさまざまなエピソードがあることから、考察のポイントも多数ありますが、本項では、金剛阿含(こんごうあごん)というキャラクターにスポットを当て「ヒール(悪役)の作り方」について考察、解説してまいります。
当然のことながら、物語に悪役というのはかなり重要なポディションであり、その悪役が憎ければ憎いほど、「こいつをやっつけてやる!」「天罰をくらえ!」といった没頭感が生まれ、また、勝利を収めた時には爽快感が生まれます。
では、どうやって憎い悪役を作ればいいか。
金剛阿含は敵チーム「神龍寺ナーガ」のエースであり、「神速のインパルス」という常人離れした反応速度を武器にする「100年に一人の天才」として登場します。
その生まれ持った才能から、とても横柄な態度が目立つキャラクターで、極めて悪い人物に映っていました。
しかし、冷静に考えてみると、彼はあくまで高校生です。
確かに飲酒や不純異性交遊などはしていますが、別に殺人、放火、窃盗、強姦など、大きな犯罪を犯したわけではなく、ただ「生意気な高校生」というだけです。
他の作品では、目を塞ぎたくなるような非人道的な悪事が多く描かれていますが、怒りや憎しみの度合いは、何故か金剛阿含の方が上に感じる方が多いと思います。
つまり、読者がそのキャラクターに対しどう感じるかは、「起こした出来事」ではなく「どんな性格をしているか」が重要になってきます。
「刑事もの」や「クライム/ノワールもの」と違い、高校生活が舞台なので、そういう環境下ではないという側面もありますが、とどのつまりは、性格や人柄が要になってきます。
少し不謹慎な例えになりますが、同じ交通事故を起こした人でも、自分の非を認め必死に謝罪し賠償する人と、自分の非を認めず平然と開き直る人物では、悪人に感じられるのは後者だけです。
起こした出来事は同じでも、その後の対応(人柄や性格)によって、感じ方は180度変わります。
作品の中でも、「戦時下で多くの敵兵を射殺する人物」より、「都合が悪くなったら理不尽な感情論で部下を怒る上司」や、「保身と私腹のためだけに動く無能な口先だけの権力政治家」などの方が、圧倒的に憎さが増すでしょう。
そのような観点から、金剛阿含に対しては、
「先輩にあんな悪態をつくなんて、なんて奴だ!」
「そんじょそこらの軽い女ならいざしらず、嫌がってる姉崎まもりを無理やりナンパするなんてクソだ!」
といった感情が芽生えていたと言えます。
キーワードとなる性格は「空気を読まない」「身の程知らず」「ナルシスト」「自分勝手」「横柄」「ズルさ」「傍若無人」といった、多くの人が毛嫌いするものを盛り込むことが効果的です。
通常、憎まれ役を描く上では、無能で権力だけ持ってる中高年を描くことが多いですが、金剛阿含は極めて有能であるにも関わらず、立派なヒールに仕立て上げられていたことは、とても素晴らしいと感じました。
結論として、ヒール(悪役)を描く際には、「何を犯したか」ではなく「どういう性格か」が重要だという考察でした。
以上、『アイシールド21』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
「ヒール(悪役)」の要は「犯した罪」ではなく「性格」!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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