【面白い物語.69】映画『エンド・オブ・デイズ』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
「あなたにとって大事な人ほど、そばに居る」
「身近なものの価値は気づきにく」
よく言われる言葉ですよね、とてもいい言葉です。
なので、ボクは自分にとって一番身近な存在である自分のために、会社の福利厚生を使い潰して仕事を休みまくります!!!
これは神もお許しになります、だって、自分を守るためだもん♪
(๑´ڡ`๑)テヘペロ
さて!
本日は神をも恐れぬ悪魔が襲い来る中、一人の女性を守るか、世界の平和を守るかの選択しを迫られるおすすめサスペンス・ミステリー作品のご紹介です!
『エンド・オブ・デイズ』
【基本情報】
■メディア:映画
■ジャンル:サスペンス・ミステリー
■放映時間:2時間2分
■発表年度:1999年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:ピーター・ハイアムズ
■脚本作家:アンドリュー・W・マーロウ
■興行収入:315億円
ジェリコ・ケイン役
演:アーノルド・シュワルツェネッガー
(当時:52歳)
ボビー・シカゴ役
演:ケヴィン・ポラック
(当時:42歳)
クリスティーン・ヨーク役
演:ロビン・タニー
(当時:27歳)
メイベル役
演:ミリアム・マーゴリーズ
(当時:58歳)
コバック神父役
演:ロッド・スタイガー
(当時:74歳)
トマス・アキナス役
演:デリック・オコナー
(当時:58歳)
【ざっくりあらすじ】
元刑事である主人公は依頼人のガードを務めることになる。
依頼人を狙ったスナイパーを追い詰めると「ミレニアムが終わった、サタンが復活する!」と不可解な言葉を残した。
気になった主人公は真相を調べる過程で、悪魔サタンの存在に気付くことになる。
サタンは復活の儀式により、次の1000年を支配しようとしていた。
【ちょっと感想】
若干、説明不足やご都合主義が多いと感じながらも、ちゃんとついていけるホラー・サスペンスでした。
特に聖書や宗教の知識がない人でも、きちんと楽しめる作品だと思います。
悪魔が神をディスるシーンは、珍しいアメリカ式のブラック・ユーモアが満載でクスっとしてしまいます。
「悪魔」や「サタン」の存在を上手く使えるといいですね。
20世紀の最後を飾った、シュワルツェネッガーには珍しいサスペンス作品を是非ご覧ください。
追伸:明日も仕事をしないといけないなんて、神は許してもボクは許さない…。~End of Sunday
【映画】『エンド・オブ・デイズ』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、世紀末に発表された記念作品『エンド・オブ・デイズ』のご紹介です。
アクション俳優の代名詞であるアーノルド・シュワルツェネッガーの主演にして、珍しいサスペンス・ミステリー作品でした。
アクション要素も満載で、影を背負った役柄としても、違和感のない演技だったと感じております。
この手の作品は、よくぶっ飛び過ぎてついていけない内容だったりすることも多いのですが、本作は状況の理解がたやすかったことや、ストーリーの進展スピードが常識的だったこともあり、大衆が楽しめる作品だったと思います。
「不運な女性を殺して平和を取るか、リスクを冒して女性を救うか」のジレンマや、若い美女が集団に追い詰められ理不尽に殺されそうになる「弱い者いじめ」という、心を揺さぶる展開も面白さを引き出していました。
本項では、物語において「神話や悪魔、聖書などを応用する効果」について考察してまいります。
超常現象や超能力などを登場させるファンタジー要素に最適な応用論ですが、既存する伝説上のキャラクターを用いる最大の利点は「市民権を得ている」という点です。
要は、みんな何となく知ってるので、馴染みやすいという点です。
いちから個人の創作者によって作られた世界観や、魔法などのあれそれは、正直あまり興味もたれません。
(すごく面白い作品として認められて初めて興味を持たれますが、その設定や世界観の細かい部分まで認めてもらうには、レジェンドレベルの作品にならないとなかなか難しいので、コスパは非常に悪いです。)
そこで、サタンや悪魔、死神、ネプチューンやゼウスなど、聖書や神話、伝説や逸話などに出て来るキャラクターを流用することで、最初の入口はハードルを低くすることが出来ます。
また、とても細かい神話の馴れ初めなどを描かないのであれば、説明する作業も不要となります。
「サタン?あぁ、何となく悪いやつね。ネプチューン?あぁ、海の神様ね。」など、ざっくりとした事前情報はすでに視聴者が持ってるためです。
また、伝説とはいえ、既存している概念やキャラクターなので、デタラメに嘘をついたり、極端に内容を捻じ曲げたりした表現はNGという後ろ盾があります。
なので、見ている方も「これはちゃんと筋にのっとって書いてるストーリーなんだろう」と、説得力が増し、心の中で納得してくれる可能性も高くなります。
いわば「虎の威を借りる狐」ですが、これである程度の「ご都合主義」は軽減できます。
「全部作者の空想なんだから、何もかも言ったもん勝ちだろ」→「そもそも存在するものだから、この作品の内容はある程度筋が通っている作りなんだろう」といった感じ。
世の常(というか日本だけ?)ですが、ポッと出の若い人が言う正しい革命論より、過去に実績がある熟年齢人が語る常識を盾にしたそれらしい保守的理論の方が支持されてしまいます。
(もちろん、大幅にご都合主義が軽減できるわけではなく、あくまで雰囲気として不快な気分を与えないで済むという意味合いです。)
また、空想ファンタジーの世界なので、今回のようにサタンが出て来て、
「なんで幻を見せることが出来るんだ?」「なんでライターもないのに火を放つことが出来るんだ?」と、いちいち疑問に思う人もまずいません。
「まぁ、悪魔なんだから、それくらい出来るんじゃない?」と、割り切ってくれます。
描きたいことやストーリー性質にもよりますが、本作のように、市民権を得ている空想生物を応用することで、視聴者との心の距離をグッと縮めてくれる効果が期待できます。
以上、『エンド・オブ・デイズ』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
神話などを物語に応用すると市民権を得ることが出来る!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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