今日のつまらない無駄話(導入)
どうも。
女性を食事に誘うといつも氷のような微笑を浴びることでお馴染みのみやごんです。
さて!
本日はそんな氷のような微笑が似合うミステリアスな美女を巡るエロティシズム・サスペンスのご紹介です!
(たまにはストレートでもいいですよね?てへぺろ)
『氷の微笑』
■メディア:映画フィルム
■ジャンル:エロティック・サスペンス
■放映時間:2時間3分(完全版:2時間8分)
■発表年度:1992年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:ポール・バーホーベン
■脚本作家:ジョー・エスターハス
■興行収入:518億円
ニック・カラン
演:マイケル・ダグラス
(当時:48歳)
キャサリン・トラメル
演:シャロン・ストーン
(当時:34歳)
ガス・モラン
演:ジョージ・ズンザ
(当時:47歳)
ベス・ガーナー
演:ジーン・トリプルホーン
(当時:29歳)
ロキシー・ハーディ
演:レイラニ・サレル
(当時:26歳)
マーティ・ニールセン
演:ダニエル・フォン・バーゲン
(当時:42歳)
フィリップ・ウォーカー
演:デニス・アーント
(当時:53歳)
アンドリュース
演:ブルース・A・ヤング
(当時:36歳)
ヘイゼル・ドブキンス
演:ドロシー・マローン
(当時:68歳)
ある日、サンフランシスコで有権者男性の惨殺事件が発生。
その事件は、あるミステリー小説に準えたものだった。
警察はその小説の著者女性を容疑者として調査するが、証拠や動機が見つからなかった。
主人公の刑事はその女性著者が犯人だと確信するが、捜査を進めるうちにその妖艶な魅力に引き込まれ始めてしまう。
【ちょっと感想】
ニック刑事同様、キャサリンや作品の魅力に引き込まれてしまいました。
事情聴取でのあのシーンはあまりにも有名ですが、日本版ではバッチリとモザイクが入っていましたね笑
集中力を必要とするミステリー作品の中でも、初心者にも受け入れられやすい工夫はとても勉強になりました!
セックス・シンボル:シャロン・ストーンをスターダムに押し上げた世界的出世作を是非!
追伸:
キャサリン「突くのが好きなの」
ボク「え?突かれるのじゃなくて?」
【映画】『氷の微笑』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回ご紹介するのは、マイケル・ダグラスとシャロン・ストーン出演の『氷の微笑』です。
少し古い映画ですが、読者の皆様も一度くらいはこの作品名を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
エロティック・サスペンスの代表作にして、シャロン・ストーンの出世作でもある大ヒット作です。
そして典型的な『ファム・ファタール(運命の女/男を破滅させる)』ものであるとも言えます。
まず前提として、いくつかの面白Pointをまとめてみたいと思います。
■「ミスリード」の応用テクニック
「ミスリード」とは「犯人をAさんと見せかけておいて実はBが犯人だった」というストーリー技術です。
本来であれば書き手があれこれ演出を重ねて新犯人から目を逸らす工夫(目立たなくする)をしますが、本作は堂々とたった一人の容疑者を中心に描き続けています。
そうすることで、「ここまで堂々とキャサリンが犯人ぽく演出してるんだから、逆に別の犯人がいるんじゃないか?」と、”視聴者が自ら”視線をずらすミスリードが成立していました。
(キャサリンが真犯人だったかどうかは一旦横に置いておいて)
「小説通りに殺したら自分が疑われるのにそんなことすると思う?」と言いながら過去の作品でも似たような事件が起きてる。
著者は心理学を専門としている。自ら疑われるようなこともしている。
いまいちキャサリンが犯人であるという確証や証拠がなく、見事に視聴者の「キャサリンが犯人だ!」という確信揺れ動していました。
後半になるとベスという新しい容疑者も現れ、最後の最後まで分からず引き込まれるというテクニックです。
無論、ただのトリックやカラクリだけではなく、感情的になって振り回される俳優陣の演技や魅力なども見事でした。
途中過程でバランスよく登場する人物、明らかになるヒント、完璧に支配しているはずの女が時おり感情的になる、などなど。
総合的に飽きさせない「引き」のデザインは素晴らしいと言えます。
■エロスと凄惨
これらは「ツカミ」そして「感情揺さぶり」においては超鉄板です。
■冒頭の情報価値
小説に準えた殺人免許であり、キャサリンは現在新作を執筆中だと言います。
「ある刑事が悪い女に惚れる物語よ」「その刑事はどうなる?」「死ぬの」
主人公のニック刑事(マイケル・ダグラス)の運命を暗示するこのやり取りが最後の結末に対する「気になる」を演出していました。
(ニック刑事が途中、キャサリンと同じような取り調べを受けてしまったのもエッジが効いた演出です)
■「ひょうきん者」がデザインされていた
以前、別記事でも考察した「ひょうきん者」の存在は、相棒のガス刑事が担っていました。
この手のシリアス・サスペンスでは、常に緊張しがちで緩急を生むことを忘れがちですが、主要登場人物の一人にガス刑事のような「ひょうきん者」がいることで自然と緩急が生まれるカラクリです。
さて、ここまでは多くの作品で見られるストーリー技術ですが、本作で最も取り上げたいのは、「視聴者に寄り添うミステリー」というものです。
本項は別ブロガーさんの受け売りですが、個人的にとても勉強になったので、備忘録として記述させていただきます。
「視聴者に寄り添うミステリー」を更にかみ砕いた言い方をすると、「視聴者が混乱せず都度都度のシーンの状況をきちんと理解できていた」ということです。
普段、サスペンスをご覧になられない方なんかは、時々小難しいミステリーを見ると、こんな風に感じませんか?
「今ってどういう状況?」
「●●って誰だっけ?」
「主人公ってなんでこの人知ってることになってるんだっけ?」などなど。
つまり、ストーリーに理解が追い付いていない状況です。
今はどういう状況で、誰がどこまで知ってて、この映像が表沙汰になると誰にとって危険なのか等、隅々まで理解できていない状況は大きなストレスになると思います(と言うか途中で視聴放棄してしまいます。)
しかし、本作『氷の微笑』に関しては、あまりそられのストレスを感じなかったと思います。
登場人物が整理されていたことや、適切なペース展開というのもあるのですが、最大の理由は「主人公のニック刑事が全てのシーンに登場していた」ということです。
こうすることで、時系列に判明していく状況や過去、浮かび上がる登場人物等、ニック刑事が知っている情報量と視聴者の情報量が全てイコールになります。
これが逆に、ニック刑事が知らないところで別の人物たちがあれこれ展開を重ねてしまうと、「Aはこれを知ってるけど、Bはこれを知らない」といったような脳内整理の労力が莫大に増え、視聴に余計な体力を使ってしまいます。
無論、これらの技法を利用して面白さを作ることもありますし、力量やセンスによってストレスを感じさせないことも可能ですが、ただでさえ多くの謎や人間関係、過去が生じるサスペンスものにおいては、本作のような描き方はとても友好的かつ有効的であるということが言えます。
だからこそ、「真犯人がベスだった!」と主人公たちが勘違いしてしまう部分も腑に落ちるという訳です。
(本当に真犯人がベスだったとしても成立してしまうのが本作の力量の凄さも伺えます!)
以上、『氷の微笑』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
(また読んでね^^♪)
全てのシーンに主人公を登場させると視聴者が混乱しない!
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