【面白い物語.83】映画『ロボジー』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
毎日毎日、会社員として、せっせと働いておりますよ。
(; ̄д ̄)ハァァァァ
自分の感情を押し殺し、会社の命令に従って淡々と業務をこなす、まるでロボットのような生活。
()´д`()ゲッソリ…
しかし、将来のことを考えると、こう愚痴ばっかり言っている訳にもいきません。
(´・ω・) ウーム…
将来、苦しまない為に、今を苦しんで仕事に耐えるか、今を楽して、将来苦しむか、それが問題だ…。
好きなことを仕事にしてずっと楽しく生きるという思考回路をショートされたボクは、思考回路もロボットそのものです。
( ゚д゚)ハッ!!!
さて!
本日は一風変わったロボットが奇抜な大活躍する、おすすめ日本コメディ映画のご紹介です!
『ロボジー』
【基本情報】
■メディア:映画(邦画)
■ジャンル:ドタバタ・コメディ
■放映時間:1時間51分
■発表年度:2012年
■製作の国:日本
■映像監督:矢口 史靖
■脚本作家:矢口 史靖
■興行収入:約11億円
鈴木 重光役
演:五十嵐 信次郎(ミッキー・カーチス)
(当時:74歳)
太田 浩次役
演:川合 正悟(チャン・カワイ)
(当時:32歳)
ロボット博覧会司会者役
演:菅原 大吉
(当時:52歳)
ニュー潮風コスプレの男役
演:森下 能幸
(当時:49歳)
【ざっくりあらすじ】
とある電器会社に勤める3人の技術者は、社長からある命令を受ける。
それは、会社宣伝のため、短期間で二足歩行ロボットの開発せよというものだった。
しかし、苦労して作ったロボットが壊れてしまい、3人は窮地に陥ってしまう。
そこで、3人は人間にロボットの格好をさせて乗り切る作戦を思いつく。
【ちょっと感想】
本作も矢口史靖節炸裂の痛快コメディでした!
こーゆー、オモシロな展開とセンス、大好きです。
地に足のついたというか、フィジカルが強いというか。
いわゆる「ウソがバレたらどうなる!?」劇ですが、とても参考になりました。
矢口作品の中では比較的知られていないかもしれませんが、意外と大ヒットを記録している隠れた名作ですので、是非ご覧ください!
追伸:働きもしない。そんなロボットに社畜たちが憧れた――。
【映画】『ロボジー』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、鬼才、矢口史靖監督作品『ロボジー』のご紹介です。
矢口監督らしい、鋭いセンスの光るコメディ映画でした。
全体的に面白い作品ですが、もちろん、特筆すべき部分は多くあります。
・美男美女ばかりでない配役。
・美人だけと変人でヲタクな佐々木葉子(演:吉高由里子)のギャップ魅力。
・脇を固める贅沢な俳優陣。
などなど。
恋愛要素もほぼ入れていないことで、奇をてらった作りでないことが伺えます。
さて、本作の要は「ウソがバレたらどうしよう!?」のハラハラドキドキ劇でした。
(筆者は「ライアー・ボンテージ(嘘に縛られた人々)」と命名しております。)
保身や難を逃れるため、咄嗟についた嘘が肥大化し、取り返しのつかないところまで進展してしまうことで、常時緊迫感を煽る構成です。
この手の作りはいろいろなストーリーで起用され、とてもメジャーなものですが、視聴者側にとっては、主人公たちがついた嘘は全て見えているので、以前、別の記事でご紹介した「状況的上から目線」の要素(優越感)も介入してきます。
「この嘘がバレたらいたたまれないほど冷たい視線を浴びて、期待を裏切って、軽蔑されて、刺さるような地獄的空気だろうなぁ…」と、心にダイレクトに刺さる緊張感なので、とても有効性の高いものです。
そんな中、本作がとても秀逸だと感じたのは、「あえてペナルティを隠していた」ということでした。
要は、「バレたら●●になる!」ということを明示していなかったことです。
本作では、弱小電器会社に勤める技術者3人が社長命令でロボットの製作を強制されるものでしたが、もしこのプロジェクトが失敗してしまったら、具体的に3人にどういった処遇が課されるかは明言されていませんでした。
3人は解雇を恐れていましたが、実際には、解雇なのか、降格なのか、左遷なのか、減給なのか、分かりませんでした。
正直なところ、これらのどれが課されたところで、そこまでインパクトは強くありません。
もちろん、演出次第でいくらでもインパクトを高めることは出来ますが、どう間違っても、バレたからとって死刑になる訳ではないので、具体的なペナルティとしては少し弱めです。
そこで、あえて、それらを明言しないで、視聴者の想像力に委ねる、という方法がとても有効でした。
この手の展開では、ハッキリとした答えを言ってもらわないと、人はだいたい最悪の展開を想像します。
それらは、客観的に最悪な展開ではなく、自分が思う、感じる上での最悪な展開なので、視聴者一人一人に個別の最大効果を発揮してくれる便利な手法です。
また、ハッキリと答えを出してしまうと、それ以上のひどい展開にはならないということを約束してしまうようなものなので、余分な安堵感を防ぐ役割も担います。
「もし、●●したら、どうなるか分かってるだろうな?」と、あえて具体的にどうするということを隠すセリフが、とても恐怖を煽るのと同じカラクリです。
本作は国際情勢を揺るがすスパイものなどではないことから、バレたら拷問、虐殺、死刑、などといった事柄で緊迫感を煽ることが出来ないので、あえて隠すことで、それと同じような効果を得られていたことが、とても秀逸な部分でした。
以上、『ロボジー』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
あえて視聴者の想像力に任せることで効果を高める!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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