【面白い物語.76】映画『THE LAST MESSAGE 海猿-UMIZARU-』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
以前、タイに旅行に行った際、夜のお店に入りました。
そこで指名したスタイル抜群の女の子は、何と豊胸娘だったのです。
あのカチカチなお〇ぱい、ぜんぜん気持ちよくなかったなぁ。。。
(´;ω;`)
無加工の温泉水を飲みながら、そんなことを思い出した夜でした。
やっぱり水もお胸も天然が一番です。
( ‘-‘ )( ,, )( ‘-‘ )( ,, )ウンウン
さて!
本日は、とっても危険な天然ガス採掘施設を舞台に、あの勇ましい海上の勇者たちが大活躍する、おすすめジャパニーズデザスター映画ご紹介です!
『THE LAST MESSAGE 海猿-UMIZARU-』
【基本情報】
■メディア:映画
■ジャンル:デザスター・脱出劇
■放映時間:2時間9分
■発表年度:2010年
■製作の国:日本
■映像監督:羽住 英一郎
■脚本作家:福田 靖
■興行収入:約80億円
【ざっくりあらすじ】
海上で天然ガスを採掘する巨大施設「レガリア」で大事故が発生。
海上保安官である主人公たちは、施設の作業員の救出任務にあたる。
しかし、台風と事故の影響で任務は難航。
一部の人間が施設の中に取り残され、窮地に陥る。
【ちょっと感想】
前作より大幅にスケールアップした安定の面白さでした。
取り残された主要キャストの面々がバラバラの個性だったこともグッド。
舞台や撮影に要した予算も相当なものだったと感じます。
世界中で公開され、ぴあ初日満足度ランキングでは第1位、2010年公開の邦画実写映画の興行収入第1位と、輝かしい成績を誇る名作を是非ご覧ください!
追伸:
会社「今度の日曜日、休日出勤できる?」
ボク「私には、その質問の意味が全くわかりません。」
【映画】『THE LAST MESSAGE 海猿-UMIZARU-』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、大ヒットシリーズの映画第3弾『THE LAST MESSAGE 海猿-UMIZARU-』のご紹介です。
前作『LIMIT OF LOVE 海猿-UMIZARU-』の面白さもさることながら、今回は更にスペクタクル感が増した壮大な映像が飛び込んできます。
基本的な面白さの本質は前回と同様であり、実際に映画を見て感じ取っていただきたいと思います。
自分たちが助かるためには「●●するしかない!」というのも、意外性としてはとても素晴らしいアイディアだったと思います。
さて、本項では、新キャストでもある服部拓也(演:三浦翔平)にスポットを当て、彼が生み出していたストリート的効果について、3点ほど考察してまいりたいと思います。
(正直申し上げると、これから紹介する効果は本作ではそこまで大きな力を発揮していませんでしたが、脚本術においては、とても役に立つ場面が多いと思いますので、備忘録的に記事にさせていただきます。)
まず、服部拓也についての簡単なおさらいです。
新人の潜水士で若く、まだ未熟。
元々は、親を納得させる目的で、公務員である潜水士を目指したが、あらゆる逆境から逃げて来た逃げ腰な性格の持ち主。
作中では命の危険を前に心が折れ、涙を流しながら、弱音三昧が印象的なキャラクターでした。
人を助ける立場でありながら、なんとも情けない立ち回りですが、このような人物には、いくつかの物語的効果がありました。
[1]ギャップの演出
リアルな世界でも、ギャップを持っている人には何故か惹かれますが、ストーリー上でも、上手く演出すれば、それはとても強い魅力になります。
服部は人を助ける立場でありながら、自らが助けを求めるようね弱音を吐いてしまいます。
しかし彼は、それでも合格率1%と言われる潜水士に合格した男です。
二転三転してしまうきらいはありますが、「潜水士なのに情けない」「情けないけど難関資格に合格した男」というギャップを含んだ人物でした。
物語の後半では、そんな彼が潜水士としての使命を自覚し成長する姿も描かれていることから、魅力的人物の条件をほとんど内包したキャラクターと言えます。
[2]恐怖心をより煽る
この手の感動ドラマを含んだデザスター作品は、レスキュー隊が勇猛果敢で頼りがいがあり、一般人は情けなく泣きわめくのがセオリーです。
デザスター作品では視聴者の恐怖心を煽ることも大切ですが、災害に慣れていない一般人が恐怖を叫ぶのは、あまり効果がありません。
まして、頼りがいがあるレスキュー隊が堂々としれいれば「うん、大丈夫」と、安心感が生まれてしまいます。
そこで、実際に助ける側が、絶望的な状況に我を失い、混乱の末に叫び喚くという技法が有効です。
そのようなシーンを見てしまうと、どうしても心がキューッとなってしまいますので、服部はその役目も担っていたと言えます。
前作の『LIMIT OF LOVE 海猿-UMIZARU-』では、絶望的な状況に追いやられた仙崎大輔が、頼みの綱である上司の下川嵓に対し、無線で叫ぶようにして呼びかけるシーンがありましたが、それもとても有効な演出と言えるでしょう。
[3]比較対象の効果
前作までは、主人公の仙崎大輔のバディは吉岡哲也(演:佐藤隆太)でした。
そして今回、若手の潜水士である服部に入れ替わっての救出任務でした。
先ほども記載した通り、本作での服部は最初、情けない役回りでした。
立場がまるっと吉岡と入違った上で、あのような振る舞いを見せたことで、いわゆる吉岡の株が上がる効果がありました。
「普通はこんなに取り乱すんだなぁ。そう考えると、吉岡ってかなり優秀で強いヤツだったんだなぁ」
「あ~もう、見てらんない。こんな時、吉岡がいてくれたらなぁ~。仙崎も心強いだろうにぃ~」
などなど。
良くも悪くも、全く同じ立場なので、容易に比較対象とされてしまいます。
スーパースターまで上り詰めた3人組のアイドルグループが突然のメンバーチェンジ、ファンはどうしたってその立ち位置に前メンバーの影を見るので、やはり見比べてしまう心理と酷似します。
少し可哀想な方法ではありますが、服部という人物が、さり気なく従来のバディである吉岡の株を大きく上げていました。
本作では吉岡はほぼ救出任務に参加しないことで、よりその存在の貴重度合いが飛躍的に上がっているカラクリです。
また、後半では、服部も一人前の潜水士として活躍を見せてきます。
これもまた理不尽な話ですが、仙崎クラスの男になると、活躍しても当たり前感が出てしまいますが、最初は逃げ腰だった服部が活躍すると、「おぉぉ~!」と、その感動ぶりが大幅に上昇するのも、着眼点のひとつです。
以上、『THE LAST MESSAGE 海猿-UMIZARU-』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
「比較対象技法」により隠れた人物の価値を上げることが出来る!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
コメント