【面白い物語.113】マンガ『SLAM DUNK』

今日のつまらない無駄話(導入)
子供の頃『風来のシレン』というダンジョンRPGゲームにどっぷりハマっていました。
大人になってスマホでもプレイ可能だということが分かり、早速ダウンロード。
素晴らしい進化を遂げた内容に懐かしさと夢中が止まりません。
時間と労力をかけて最強にまで育て上げた武器を一瞬でモンスターにクズアイテムへと変えられて味わう絶望と怒りもあの時のまま。
#大物荒らしは死んでも許さない

さてさて、そんな『風来のシレン』が今度14年ぶりの新作を発表するそうな。
なんでも原点回帰がテーマとのことで、これはもう要チェックです。

さて!
本日は要チェック要チェック、ひたすら要チェックや!!!な稀代の名作バスケットマンガのご紹介です!

『SLAM DUNK』

【基本情報】

■メディア:マンガ
■ジャンル:青春スポーツ
■発行巻数:全31巻(全276話)
■発表期間:1990年10月1日~1996年6月17日
■製作の国:日本
■原作作家:井上 雄彦


■メディア:アニメ
■ジャンル:青春スポーツ
■放映話数:全101話

■放映期間:1993年10月16日~1996年3月23日
■制作の国:日本
■映像監督:西沢 信孝

■劇場作品:
スラムダンク(1994年3月公開)
・スラムダンク 全国制覇だ! 桜木花道(1994年7月公開)
・スラムダンク 湘北最大の危機! 燃えろ桜木花(1995年3月公開)
・スラムダンク 吠えろバスケットマン魂!! 花道と流川の熱き夏(1995年7月公開)
・THE FIRST SLAM DUNK(2022年12月公開)

『スラムダンク』桜木花道(草尾毅)

桜木 花道
声優:草尾 毅
(当時:28歳)

『スラムダンク』赤木晴子(平松晶子)

赤木 晴子
声優:平松 晶子
(当時:26歳)

『スラムダンク』流川楓(緑川光)

流川 楓
声優:緑川光
(当時:25歳)

『スラムダンク』赤木剛憲(梁田清之)

赤木 剛憲
声優:梁田 清之
(当時:28歳)

『スラムダンク』三井寿(置鮎龍太郎)

三井 寿
声優:置鮎 龍太郎
(当時:24歳)

『スラムダンク』宮城リョータ(塩屋翼)

宮城 リョータ
声優:塩屋 翼
(当時:35歳)

『スラムダンク』木暮公延(田中秀幸)

木暮 公延
声優:田中 秀幸
(当時:43歳)

『スラムダンク』安西光義(西村知道)

安西 光義
声優:西村 知道
(当時:47歳)

【ざっくりあらすじ】

不良高校生の主人公は、同級生である美少女の勧誘を受け勢いでバスケットボール部に入部することになる。

素人ながら天性の身体能力を生かし、徐々にバスケットマンとしての才能を開花させていく。


個性的なメンバーたちと共に全国大会への出場を目指し、練習や試合に挑んで行く。

みやごん

【ちょっと感想】
知らぬ存ぜぬは日本国民にあらず!
読んでない、観てないなんて言わせません!
人生を損したくないそこのアナタ!
何度でも言います「要チェックや!!」

追伸:
この作品の魅力はボクの拙い文章なんかじゃとても伝えきれません。
正直こうしてご紹介するもの結構悩みました。
でもこの溢れる気持ちがどうしても抑えきれませんでした。
まさに「君が好きだと叫びたい」状態です。

【マンガ】『SLAM DUNK』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)

本日のご紹介は国民的バスケットマンガの金字塔『SLAM DUNK』のご紹介です。
感想の部分をお読みいただき、筆者の熱量を感じ取っていただけたかと思います。
1990年の連載開始から約30年の時を経て、最新作『THE FIRST SLAM DUNK』の公開が話題となるほど、本当に根強い人気作品です。

無論、筆者含めバスケットボール未経験者であっても圧倒的に面白い本作ですが、その秘訣は到底全てを解明できるものではないでしょう。
そんな中、誠に僭越ではございますが、本項ではこの『SLAM DUNK』を題材にさせていただき、ストーリー論において常に語られる「成長を描く」という部分を考察させていただきます。

さて、よく「キャラクターの成長を描くべし」とか「この作品は主人公が何も成長してないから面白くない」などなど、「成長」というキーワードを元に面白さのうんたらかんたらが語られる場面を目にします。
この手の話で最も有名なのは「ヒーローズ・ジャーニー理論」だと思います。
「神話の法則」「英雄の旅」なんて言われ方もしますが、要は「未熟な主人公が旅に出て立派になって帰って来る」といったところ。

では何故、人はこの「成長」というものに感動を覚えるのでしょうか?
そもそも、本当に人は「成長」というものに感動を覚えているのでしょうか?

この辺りは感情論なので完璧に理屈で解釈するのは難しいですが、一番分かり易い例として「結婚式」があります。
新郎新婦が家族や親族、友人の前で誓いを結び、一人前としての旅路をスタートさせる晴れやかなセレモニー。
大人になった我が子を見た親御さんや祖父母、幼い頃を知る親友などは歓喜と大号泣。
言ってしまえば、ただ相思相愛の男女がカップルから夫婦へと形式上の形を変えただけです。
これからも人生は続きますし、大事を達成した訳でもなければゴールでもありません。
しかし、この結婚式というのはどこかエモいです。
「一人前の大人になった」という部分が分かり易く演出されており、「成長した姿」というのがとても感じ取りやすい儀式だからです。
(事実上のゴールではないけど、見事幸せなゴールを達成したという錯覚めいたもの)
つまり、子どもの頃から比べたら「成長した」という部分に人々は感情を揺さぶられる模様です。

しかし、全く同じ結婚式でも、逆に一切感情を揺さぶられない人もいます。
例えば、
・会社の付き合いで仕方なく出席している人
・仲はいいけど新郎新婦と付き合いの浅い人
・新郎の弟の同級生の取引先の専務(King Of 誰やねん)


もうお分かりかと思いますが、同じ結婚式を見て感動する人とそうでない人の違いは、新郎新婦の成長過程を知ってるか知らないか、です。
やはり、人間が「成長」というものに感情を動かされることはほぼ間違いない様です。
学校の卒業式なんかもほぼ同じ理論です。

そして、本作『SLAM DUNK』では、各所で多くの成長が見て取れます。
まず代表的なのは、ド素人だった桜木花道がバスケットマンとしてレベルアップしていく過程です。
・特訓によるリバウンドやゴール下シュート、合宿シュートの習得
・「オレはバスケットマンだから」という選手としての自覚
・パスミスによる責任を取っての坊主頭
・犬猿の仲であった流川とのハイタッチ

などなど。
ご覧の通り、桜木花道個人の成長だけではなく、肉体的な変化や対人関係の変化も「成長」の枠に入ります。
特に見た目の大きな変化は読者にも強いインパクトを与えるし覚えやすいので吉です。

名作『ドラゴンボール』においても、初めは子ども時代から始まった孫悟空が、天下一武道会で大人となった姿で登場した時には、えも言われぬ感情を感じたことではないでしょうか。
関係性の成長で言えば、皆さんご存じ「努力・友情・勝利の法則」が鉄板でしょう。
(この前まで敵だったヤツが激戦バトルを経て強力な味方になる的な展開)

で、ここからは少し応用編になります。
ひとこと「成長」というキーワードでくくると、全てが前進や強化、プラスされるものと思われがちですが、実はそれだけではありません。
「成長」という言葉を別の角度から解釈すると「長い歴史を経て起こった変化」です。
「成長」というキーワードの中には「歴史」「変化」が内包されます。
いい感情か、悪い感情かは別として、「歴史」と「変化」が内包された描写が人の感情を動かすのであれば、それは「老い」「退化」なども立派なエモさです。

例えば本作で言うと、3Pシューターにして元中学MVPの三井寿。
一度はバスケを諦め不良の道に堕ち、安西監督の元で選手として復帰した過去を持ちます。
そして、全国大会出場を懸けた重要な一戦において、ブランクによる体力不足で途中離脱。
この時、「なぜオレはあんなムダな時間を…」と、後悔と懺悔の涙を流します。
この時点で三井の過去経緯を知る読者たちは、どこかグッとくる感情を感じたと思います。
これは決して前向きな成長ではありませんが、歴史を知る読者の心情を代弁すると「そうだよなぁ。あんなことがあったもんなぁ。悔しいだろうなぁ…」といったところでしょうか。
間違いなく感情は動かされているので、成長理論の亜種技法と言えます。

総じて成長理論に関しては「成長、歴史、変化」など包括的に捉える必要がありますが、いずれにしても、成長を演出するためには、読者に長い時間をかけて付き合ってもらう必要があるので、そこまでの“引き”を作ることも忘れてはいけません。
しかし、歴史を感じてもらえれば、読者はそのキャラクターや作品の「深い理解者」となり、超協力姿勢となってくれているので、この効果はとても強いということも言えます。

さらに本作が秀逸なのは、高校が舞台なので、1年生から3年生を出すことで、「自動的に歴史を読者に想像させる」ことが出来ていた点です。
(「赤木は今3年でキャプテンだけど、1年生の時ってどんなだったのかな?その時の同級生って上手い選手いたのかな?」等)
だからこそ、木暮が陵南高校戦の土壇場で3年間の全てを込めた3Pシュートを決めた瞬間はバチクソにエモいという訳です。
(決める瞬間に過去の描写は補足されていましたが、それでも素晴らしい!)

長くなってしまいましたが、大きくまとめると「成長はエモい。成長の種類は色々ある。成長は歴史と変化であり老いや退化も含まれる」という考察でした。
今回の記事は過の『ダイ・ハード3』の記事も合わせて読んでいただくといいかもしれません。

以上、『SLAM DUNK』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
(また読んでね^^♪)

「人は何故か成長や歴史がエモく感じる生き物」

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この記事を書いた人

~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~

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