【面白い物語.39】映画『レッドブル』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
社畜のマストアイテム「レッドブル」
さぁ、今日もこれを飲んで仕事、残業、ノルマ、責任、始末書。
あぁ、メーカーがうたうキャッチコピーのごとく、授けられた翼でこのまま天国へ召されてしまいそうだ…。
ଘ(੭ˊ꒳ˋ)੭✧ サヨナラ、ゲンダイシャカイ
さて!
本日はレッドブルはレッドブルでも、エナジードリンクではなく、80年代に公開されたおすすめ刑事アクション映画のご紹介です!
『レッドブル』
【基本情報】
■メディア:映画(洋画)
■ジャンル:バディコップ・アクション
■放映時間:1時間46分
■発表年度:1988年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:ウォルター・ヒル
■脚本作家:
ハリー・クライナー
ウォルター・ヒル
トロイ・ケネディ・マーティン
■興行収入:約50億円
イワン・ダンコ役
演:アーノルド・シュワルツェネッガー
(当時:41歳)
アート・リジック役
演:ジェームズ・ベルーシ
(当時:34歳)
ビクトル・ロスタ役
演:エド・オロス
(当時:39歳)
ルー・ドネリー役
演:ピーター・ボイル
(当時:53歳)
ストッグス警部補役
演:ラリー・フィッシュバーン
(当時:27歳)
ストリーク役
演:ブライオン・ジェームズ
(当時:43歳)
キャット・マンゼッティ役
演:ジーナ・ガーション
(当時:26歳)
【ざっくりあらすじ】
ロシアの麻薬マフィアがアメリカへ逃亡し、主人公は逮捕のため単身アメリカへと渡る。
現地では、案内役、兼監視役としてある一人のアメリカ人刑事とコンビ組むことになる。
性格が正反対の2人は衝突を繰り返しながらも、犯人逮捕に向け捜査をしていく。
【ちょっと感想】
シュワちゃんの漢節が炸裂しならも、凸凹コンビものとしてはお手本のような作品ですね。
正直、感動するほどの面白さという訳ではないながらも、登場人物たちの魅力が引き出されており、退屈せず最後まで楽しめる作品です。
ロボットみたいな性格にすることで、キャラクターに対し興味を生むといういことは、とても勉強になりました。
当時の国際関係にありながらも、アメリカ映画として初めて、モスクワ市内や赤の広場でのロケを許可された歴史的な作品を是非ご覧ください!
追伸:
リジック刑事があんなに真剣な眼差しで目利きをしていた気持ちは痛いほどよく分かります。
ボクもタイ旅行に行った際、ニセ乳に騙されましたから…。
が、しかし!
この女の子にだって生活があるんです。
ボクは決して「チェンジ」とは言いませんでした。
「言わん・断固」です。
【映画】『レッドブル』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、88年発表のバディコップ(刑事コンビ)・アクション『レッドブル』のご紹介です。
感想のところでも触れた通り、歴史的にとても興味深い作品でした。
(その辺りの詳細はDVDの特典映像に収録されています。)
本作は、以前ご紹介した、いわゆる「凸凹コンビもの」のお手本のような作品です。
性格や価値観が正反対の2人が無理やりペアを組まされ、同じ目的に向かう過程で衝突を繰り返すという、鉄板プロットです。
物語に必要な「対立」を自動で生み出してくれる優秀な構図であることから、鉄板として定着し、類似作品は数え切れないほど存在します。
超硬派なイワン・ダンコ大尉(アーノルド・シュワルツェネッガー)と、超軟派なート・リジック部長刑事(ジェームズ・ベルーシ)のコンビで、カルチャー・ギャップ(文化の違い)も合わさり、その関係性が強調されていました。
さて、全体を通していろいろな展開があり面白い作品でしたが、本項では、主人公イワン・ダンコ大尉にスポットを当て、彼の魅力について考察、解説させていただきます。
今回、考察させていただくのは、「アナウンサー理論」というものです。
具体的にどういうことかというと、「およそ人間らしくない人が、ほんの少しの生活感や、人間臭さを見せた時に、グッとその魅力に引き込まれる」というものです。
普段はフォーマルな姿勢でニュースを読み上げるアナウンサーが、ふとした時に垣間見える、人間らいしクセや、趣味の話をした時に発生する効果から、こう名付けました。
(心理学などで別にの正式名称があったらごめんなさい。笑)
ダンコ大尉は、まさに鉄塊人間と称されるほどの堅物で、「四角四面」といった感じの人物です。
(四角四面:生真面目で、面白おもしろみに欠けること。 考え方や態度などが、まじめすぎて、堅苦しいこと。)
あまりにも人間らしくなく、欲や感情がほぼありません。
何を考えてるかも分からず、ロボットみたいな性格ですが、彼はあくまで人間です。
実際のロボットなら「あぁ、それが当たり前だよね」で割り切られてしまうのですが、ダンコ大尉が人間である以上は、「必ず何か弱点とか人間らしいクセとかがあるはずだ」と、それらを探しながら作品を見る姿勢が発生しがちです。
つまり、「目を離せない」という効果が必然的に上がります。
・無趣味そうなのに、チェスとかやるんだ。
・こういう人って、普段どんなもの食べてるのかな?
・コーヒーより紅茶派なんだ。
・恋人も妻もなし、エロ動画見ても動じない。男として興味ないのかな?
などなど。
シンプルな話、ギャップとして魅力が生まれるのです。
『エヴァンゲリオン』の「綾波レイ」や『スラムダンク』の「流川楓」なんかも、この性質が強いキャラクターです。
お気づきの通り、お調子者で軟派な性格のリジック刑事をバディにすることで、よりその効果を高めていました。
登場人物たちがみんな固い人間ばっかりだと、それが当たり前な世界観になってしまい、スルーされてしまうきらいがありますが、真横に欲望の塊みたいな人がいれば、その視点(この人には人間らしい部分ないのかな?)が自然と発生します。
凸凹コンビ技法(バディ・コップ)も並行して合わさり、また主人公のキャラを際立たせていた効果もありました。
キャラクターの魅力を作り出す方法論は、実にたくさんありますが、その代表的な方法論である「ギャップ」において、「ほんの少ーしだけ、ストーリーとは関係のない人間性を演出する」というのは、とても有効的だと言えます。
以上、『レッドブル』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
「アナウンサー理論」にて登場人物の魅力を引き出せる!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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