【面白い物語.41】映画『ポリス・ストーリー/香港国際警察』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
ボクの会社ではよく、ミスをしたり、成績が上がらなかった場合に「アクション・プランを考えましょう」
と言われます。
まぁ要は、具体的な改善策を考えて実行して下さいというやつです。
( -.-) =з ソンナコトイワレマシテモネェ…
そこでボクは、世紀の大発明、これ以上ないほど有効なアクション・プランを考えました。
( ✧Д✧) キラーン
「会社を辞める」
→辞めればミスをすることも成績が下がることもありません。
さて!
本日は、そんなアクションがレジェンド級な、おすすめ香港アクション映画の名作をご紹介です!
『ポリス・ストーリー / 香港国際警察』
【基本情報】
■メディア:映画(アジア)
■ジャンル:ポリス・アクション
■放映時間:1時間45分
■発表年度:1985年
■製作の国:香港(イギリス領)
■映像監督:ジャッキー・チェン
■脚本作家:
ジャッキー・チェン
エドワード・タン
■興行収入:約38億円
チェン・カクー役
演:ジャッキー・チェン
(当時:31歳)
セリーナ・フォン役
演:ブリジット・リン
(当時:31歳)
チョン弁護士役
演:デヴィッド・ラウ・チイ・ウィン
(当時:34歳)
ダニー・クー役
演:フォン・ハックオン
(当時:35歳)
【ざっくりあらすじ】
主人公が属する警察チームは、大物麻薬組織の一斉検挙に乗り出す。
組織のボスを有罪にすべく、ボスの秘書をしていた女に対し裁判で証言を依頼。
主人公は裁判当日まで女の身辺警護を任命されるが、女のじゃじゃ馬ぶりに悪戦苦闘。
そんな中、麻薬組織は証言をさせないため、女秘書を消そうと動き出す。
【ちょっと感想】
数あるジャッキー映画の中でも、評価の高い一作です。
ジャッキー映画の特徴でもある、アクションとコメディの融合が健在であり、改めて「ノー・スタントである」ということを念頭に置いてみる格闘シーンは圧巻です!
冒頭に出て来るフランキー刑事の「情けないイケメン」という魅力的キャラクター設定はとても勉強になりました。
生きる伝説、ジャッキー・チェンが監督・脚本・主演・武術指導を兼ね、『プロジェクトA』と並びジャッキー映画の代表作として挙げられる名作アクション映画を是非ご覧ください!
追伸:デスクワークに追われるボクの日常は、ほぼ9時間「ノー・スタンド」です。
【映画】『ポリス・ストーリー/香港国際警察』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回のご紹介は香港のアクション映画『ポリス・ストーリー/香港国際警察』
香港映画を世界ブランドへと仕立て上げたジャッキー・チェン(成龍)の代表作であり、本人も一番好きな作品だと名言するほどの名作です。
以降、「ポリス・ストーリー」としてシリーズ化された刑事もの映画の金字塔であり、その最初の作品です。
当然のことながら、本作の真骨頂は、ノー・スタントで撮影されるド派手なアクションシーンです。
あれだけの映像ながら、スタントマンを使わず、ジャッキー本人が演じているのは本当に驚きです。
演技力、運動神経とアクション、映画監督としての手腕、まさに映画の天才と言えるでしょう。
さて、ストーリーの部分で見ても、いろいろと面白さが組み込まれた脚本ですが、本項では専門用語の説明も兼ねて「ファム・ファタール」という技法を解説、考察させていただきます。
「ファム・ファタール」というのはフランス語で「運命の女」という意味です。
しかし、ストーリー術においては「男を破滅させる魔性の女」として登場させることが多くあります。
『源氏物語』や『トロイ』、世界中の神話なんかを見ても、男が魔性の女に翻弄され、堕ちたていく様だったり、怒涛の展開となるパターンは多く見られます。
歴史でも似たような話が多いので、とても説得力を生み出す技法です。
また、堕ちる男の悲劇具合の他に、コメディ調としても使えて、いろいろな展開を生んでくれるキーマンです。
本作では、麻薬ボスの秘書をしていたセリーナ・フォン(演:ブリジット・リン)が、まさにその役割でした。
また、設定として秀逸だったのは、セリーナが、主人公にとっても、敵組織にとっても、「運命の女」だったという点です。
彼女が正しく証言をするのか、しないのかによって、両者の運命が180度変わるという状況でした。
それぞれの利害関係がハッキリと分かりやすいことから、ストーリー展開も分かりやすく、入り込みやすいものでした。
そして、セリーナがあのようなじゃじゃ馬娘だったことで、どちらに転ぶか分からないという設定も、情報価値(気になる)を高めていたと言えます。
元々は犯罪組織の所属であり、警察は敵なので、つんけんした態度を取っていましたが、組織のボスは自分を消そうとしていることが分かり、自分の身を守らなければいけないという、どっちつかずの立場が、物語に急展開を生んでくれていました。
(起承転結でいうところの”転”。)
また、補足ですが、「ファム・ファタール」を登場させる場合は、あからさまに妖艶な美女であることが多いのですが、本作はそうではなく、裁判の証言者としての設定を施していることが良い点だったと感じます。
(あからさまなセクシー美女が誘惑する感じだと、ありきたり感が生まれてしまうので、メインキャストとして活躍する場合は、あまり高い効果が発揮されないため。)
そして、Wヒロインでありながら、主人公との三角関係としなかったのも、意表を突いた面白い構造だったと思います。
以上、『ポリス・ストーリー/香港国際警察』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
「ファム・ファタール(=運命の女)」という物語技法がある!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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