【面白い物語.58】映画『ロックアップ』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
三連休も後半戦に入ってしまいました…。
頼む、誰か、ボクをこのまま連休の中にロックアップ(閉じ込める)してけれ…。
—–。゚(゚´Д`゚)゚。—–
さて!
本日は映画『ロックアップ』のご紹介です!
(たまにはこんな感じでストレートに紹介してもいいよね?)
(ฅ∀<`๑)テヘッ♡
『ロックアップ』
【基本情報】
■メディア:映画
■ジャンル:ノワール・バイオレンス
■放映時間:1時間46分
■発表年度:1989年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:ジョン・フリン
■脚本作家:
リチャード・スミス
ジェブ・スチュアート
ヘンリー・ローゼンバウム
■興行収入:約32億円
フランク・レオン役
演:シルヴェスター・スタローン
(当時:43歳)
メリッサ役
演:ダーラン・フリューゲル
(当時:36歳)
ドラムグール役
演:ドナルド・サザーランド
(当時:54歳)
エクリプス役
演:フランク・マクレー
(当時:48歳)
ファーストベース役
演:ラリー・ロマーノ
(当時:26歳)
【ざっくりあらすじ】
出所を間近に控えた主人公は突然、最悪と謳われる刑務所へ移送される。
それは、主人公を逆恨みした所長の仕業だった。
悪徳所長は囚人や看守たちを手先とし、主人公を窮地に追い詰めて行く。
【ちょっと感想】
ヘビーな内容ですが、内容も分かり易く人間の憎悪劇を楽しめる作品です。
腐敗しきった刑務所の中で、ひとりのたくましいメイズナー看守長の存在はエモいですねぇ。
監獄ものとして、「空間的制限」というのは、とても学びのあるものでした。
数多くあるスタローン作品の中では、埋もれがちな隠れた名作なので、是非ご覧ください!
追伸:
「ひとつ心残りがある。」
「なんだ?」
「あんたの笑顔を見たことがない。」
「当たり前だ!!! 社畜だからに決まってるだろ!!! 懲役10年追加だ!!!」
【映画】『ロックアップ』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、シルヴェスター・スタローン主演作『ロックアップ』のご紹介です。
数あるスタローン映画の中で、代表作としてまでは名前が挙がらないながらも、とても面白い名作です。
悪質な迫害や理不尽が描かれることで、強い応援心理がデザインされた、ハードボイルドな作品でした。
本作は悪徳刑務所長が主人公フランクに対し私怨で復讐するという内容です。
職権乱用ではありながらも、一定のルールにのっとって、なんとか主人公を破滅に追いやろうというゲーム性があったことで、何でもアリ過ぎるご都合主義な展開を防止していました。
(なりふり構わず看守を集めて集団リンチとかでは、物語として成立しませんし、白けてしまいます。)
総じて、クオリティの高いハードボイルド・バイオレンス作品として楽しませていただきました。
さて、ご存じの通り、本作はいわゆる「プリズン(監獄/牢獄)もの」です。
今回は以前ご紹介した『プリズン・ブレイク』では紹介しきれなかった「プリズンもの」が持つ物語的効果について、続編紹介とさせていただきます。
「プリズンもの」が持つ基礎的効果、その一つに「制限空間」というものがあります。
言葉通り、制限された空間です。
囚人たちは多くの行動を制限されています。
その中でも、一番の制限は「檻から出られない」です。
「別の場所に逃げる」という選択肢を省いて見れるので、余計なことを考えず、物語の本質に集中できます。
(本作で言うと、所長がどんな嫌がらせをするか、フランクがどう立ち向かうか、等。)
どこに居てもいい、何を使ってもいい、行動も自由、とにかく何でもアリ、では、そもそもストーリーとして成立りません。
ゲームなどでも、何かしらのルールや制限があって、限られた手札の中であれこれ戦略を立てて戦うからこそ、面白さが生まれます。
また、檻に閉じ込められた囚人が前提なので、「誰がどこにいて、何をしてるかを覚えておく必要がない」という部分も大きな効果です。
要は、見てる側の脳内労力やストレスを軽減できるというものです。
「刑務所もの」において、主要人物たちはほぼ囚人なので、居場所としては刑務所内、やってることと言えば、寝る、食べる、刑務作業、自由時間程度です。
(自由時間と言っても、かなりの自由が制限されている状態。)
想像力を働かせる必要もないし、それらの行動はあれこれ考える必要もない物ばかりです。
いる場所を含め、財力、職業、地位などの要素はほぼ入ってきません。
ある時、いきなり忘れていた登場人物がひょっこり現れて、「あれ?そういえばこの人、前ってどうなったんだっけ?今までどこに居て何してたんだっけ?」的な不愉快な不意打ちはほぼありません。
(というか出来ません。)
空間も自由も圧倒的に制限されている環境下なので、その手札が少ない状態で、いかに問題を解決するか、という部分に意識やエネルギーを集中することが出来るのが、「プリズンもの」の大きなメリットと言えるでしょう。
前提として、犯罪を犯して収監された囚人たちがうごめく狭い空間、逃げ場がないトラブルや衝突はいくらでも描きようがあるのも、ストーリー的には良質な題材と言えます。
以上、『ロックアップ』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
刑務所ものは多くの制限があり物語を面白くする!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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