【今日のつまらない無駄話(導入)】
会社の命令を受けて、お客へ契約内容の説明をしたら、
「そんなの納得できるか!」とお叱りを受けました。
確かにお客の言い分も分かるので、それを上司に説明したら、
「いやいや、納得しないとか言われても困る。ウチはそういうルールでやってんだから」
まぁ確かに、それもそうだ。
その契約内容を納得した上でお客はウチの商品買ってる訳だし。
で、それをまたお客に説明したら。
「マニュアル対応すんな!こっちは客だぞ!言うことを聞け!」
はぁ…。
会社の命令に従い、お客の言うことには逆えない人生。
「こんな理不尽やってられるかー!」と叫びたいところですが、生活があるのでひたすら我慢。
どうも、「資本主義社会の奴隷」こと一流社畜みやごんです!
さて!
本日は令和の奴隷として名高い筆者が、古に実在した許しがたい奴隷制度が描かれる、おすすめ西部劇をご紹介します!
『ジャンゴ 繋がれざる者』
■メディア:映画(洋画)
■ジャンル:西部劇(奴隷制度)
■放映時間:2時間45分
■発表年度:2012年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:クエンティン・タランティーノ
■脚本作家:クエンティン・タランティーノ
■興行収入:約425億円
ジャンゴ役
演:ジェイミー・フォックス
(当時:45歳)
キング・シュルツ役
演:クリストフ・ヴァルツ
(当時:56歳)
カルビン・キャンディ役
演:レオナルド・ディカプリオ
(当時:38歳)
スティーヴン役
演:サミュエル・L・ジャクソン
(当時:64歳)
ブルームヒルダ役
演:ケリー・ワシントン
(当時:35歳)
鉱業社の従業員役(兼 監督)
演:クエンティン・タランティーノ
(当時:49歳)
ある時、一人の賞金稼ぎは、ある黒人奴隷を買う。
二人は共に旅をする中で友情が芽生え、仕事仲間へとなっていった。
その黒人奴隷は妻と生き別れになった過去があり、
協力して取り戻そうと計画を立て、実行して行く。
【ちょっと感想】
豪華俳優陣が揃い踏みの豪勢な長編作品です。
どうしても気持ちが重くなってしまう描写が多々ありますが、一見の価値ありな名作です。
エンターテインメント作品という表現が正しいかどうかは分かりませんが、監督の言葉通り、ただ風刺的な押しつけがましい説教構成ではなく、面白いと感じることが出来るものでした。
レオ様のはまり役、クリストフ氏が放つカリスマ的魅力、何とも言えません。
名匠クエンティン・タランティーノ氏が歴史的役割を背負い挑んだ注目の傑作西部劇を是非ご覧ください!
追伸:今日も仕事に「Knock Out(ノックアウト)」されたぜ…。「K」は発音しない。
【映画】『ジャンゴ 繋がれざる者』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
本日は本ブログ初の西部劇のご紹介です。
『ジャンゴ 繋がれざる者』奴隷制度が横行している時代を描いた作品で、日本好きでも知られる「クエンティン・タランティーノ」監督がメガホンを取り、大物俳優が揃い踏みで豪勢な作品でした。
2時間45分と比較的長編な作品ながら、最後まで楽しめるおすすめの西部劇作品です。
「白人を助ける黒人が現れる」というアメリカ映画独特の「マジカル・ニグロ」が採用されていたり、「キング・シュルツ(演者:クリストフ・ヴァルツ)」が放つとても不思議な魅力など、様々な見どころがある名作です。
前半で奴隷に対する残虐な描写が多数あったことで、終盤のあのシーンでは「これでバレたらマジでえげつないほど惨いことになる…」という緊張感が生まれていましたし、カルビン・キャンディ(演:レオナルド・ディカプリオ)の上流階級ぶりをしっかり描いていたことで、プライドを傷つけられただけであんなに激怒する描写にも筋が通っていました。
さて、今回も、物語論や創作理論をベースに、個人的な見解や解釈、考察などを述べさせていただきます。
まず、本作の本質的な面白さとしては、勧善懲悪をベースにおいた、心を揺さぶる復讐劇(逆転劇)です。
今の時代では考えられない残虐非道な奴隷制度が描かれ、見ている側としては「ありえない」「酷すぎる」「許せない」といった気持ちが芽生え、いつしか物語の中に取り込まれています。
見過ごせない状況が続き、最後は主人公たちが反旗を翻し、悪党連中を叩き伏せるカタルシス効果です。
この手の描き方(面白さの作り方)は、多くの設定で応用されます。
例えば、「貧困もの」「終末世界もの」「戦争や紛争もの」などなど。
圧倒的に虐げられている世界を作り、それを救うことで安堵と快感が生まれていきます。
この辺りの作品はそのまま描いていても基本は面白くなりがちなのですが、本作において目を引いたのは、「描く部分をとても限定していた」ということでした。
「縮図技法」と呼んでいますが、今回はその部分を簡単に考察してまいります。
平たく言うと、「全体のあちこちをまんべんなく全部描くのではなく、一点集中して描いていた」ということです。
基本的に奴隷制度を描く場合は、制度そのものに着目し、「こんな非人道的行為は許されない!制度を廃止して奴隷となっている人々を全て解放するんだ!」となりがちです。
(描く側としては、やっぱり全員助かるハッピーエンドを描きたいものなので。)
しかし、本作では、あくまで一人の黒人奴隷(ジャンゴ)が生き別れた妻を取り戻すというストリート展開でした。
制度そものを廃止するような大掛かりな展開ではありません。
ですが、ストーリーの過程では、虐待される奴隷のおぞましい光景で心を揺さぶり、最後には大逆転劇が起こり、奴隷も一部は解放されて行きます。
話の規模は小さくしつつも、面白さの本質はきちんと描かれていました。
これにより何が良かったかというと、「強いキャラクター性がしっかりと描かれていた」という点です。
本作は非常に濃厚なキャラクターがざっくりと4人出ていました。
・妻を取り戻すために非常な奴隷商人へと変化していく主人公ジャンゴ。
・独特の雰囲気と価値観を持ち、不思議な魅力を放つ賞金稼ぎのシュルツ。
・上流階級にして残虐非道な奴隷農園主カルヴィン。
・黒人でありながら同胞を強く奴隷扱いする狡猾な執事スティーヴン。
これらの登場人物たちはしっかりとその人間性が時間をかけて描かれていました。
当然、キャラクターたちに個性が宿れば、物語には想像以上の厚みが生まれます。
逆に、スケールが壮大だと、その分、役割の大きい登場人物たちを増やさなければなりません。
特に、奴隷制度や解放がテーマであれば、南北戦争やエイブラハム・リンカーンの存在は外せません。
そして、北と南、軍と民家、奴隷たちや商人たちなど、それぞれの場所軸で重要な役割を持った人物たちを配置しなければならず、また、各所に人間関係があり、その説明に尺を割かれるので、それぞれの人物たちを丁寧に描くほどの時間的余裕がなくなります。
あくまで、物語を動かすだけの駒的な存在になりがちです。
(やっぱり、キャラクターたちの魅力を演出するのって時間が掛かるんです。友情、愛情、信頼関係構築には時間がかかるように。)
しかし、本作はジャンゴとシュルツが二人旅をすることが主軸だったので、場所軸やは基本視点はひとつ、土地土地で出会う人物たちもモブ的な演出だけで済んでいました。
全体的な展開や制度、歴史の変動などのドライな部分にスポットを当てた作りではなく、濃厚なキャラクターたちスポットを当てた血の通いやすい描きか方が、本作の面白さを最大限に引き出していた部分と考察します。
以上、『ジャンゴ 繋がれざる者』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
面白さの主軸をずらさずコンパクトにすることが出来る!
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