【面白い物語.91】映画『シンデレラマン』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
「君がもし、シンデレラだったら、ボクはガラスの靴なんて無くても、君を見つけ出してみせるよ!」
いやぁ~、決まりましたね、会心の一撃が!
(。+・`ω・´) キラーン★
これを言われて落ちない女性はいません!
一番の問題は、このセリフを言う相手がそもそもいないってことです。
アヒャヒャ。゚(゚ノ∀`。゚(゚ノ∀ヽ゚)゚。´∀ヽ゚)゚。ヒャヒャ
さて!
本日はかつて世界大恐慌時代に「シンデレラ」と呼ばれた男のおすすめ感動ヒューマン・ドラマのご紹介です!
『シンデレラマン』
【基本情報】
■メディア:映画(洋画)
■ジャンル:伝記・ヒューマンドラマ
■放映時間:2時間24分
■発表年度:2005年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:ロン・ハワード
■脚本作家:
アキヴァ・ゴールズマン
クリフ・ホリングワース
■原作作家:クリフ・ホリングワース
■興行収入:約158億円
ジム・ブラドック役
演:ラッセル・クロウ
(当時:41歳)
メイ・ブラドック役
演:レネー・ゼルウィガー
(当時:36歳)
ジェイ・ブラドック役
演:コナー・プライス
(当時:11歳)
ジョー・グールド役
演:ポール・ジアマッティ
(当時:38歳)
マイク・ウィルソン役
演:パディ・コンシダイン
(当時:32歳)
ジミー・ジョンストン役
演:ブルース・マッギル
(当時:55歳)
スポーティ・ルイス役
演:ニコラス・キャンベル
(当時:53歳)
マックス・ベア役
演:クレイグ・ビアーコ
(当時:41歳)
アート・ラスキー役
演:マーク・シモンズ
(当時:31歳)
コーン・グリフィン役
演:アート・ビンコースキー
(当時:30歳)
【ざっくりあらすじ】
主人公はプロボクサーとして華々しい活躍を魅せていた。
しかし、世界大恐慌の影響で財産を失い、家族と共に極貧生活を強いられる。
その上、怪我と年齢の影響でボクサー生命まで奪われてしまった。
ある時、ひとつのチャンスに恵まれ、命懸けのリングへと上がっていく。
【ちょっと感想】
はい、素晴らしいですね!
この記事を執筆するために見直しましたが、やはり心を掴まれます。
拳をぶつけ合うことだけが戦いじゃないことを学びました。
家族のため、プライドを捨てた物乞いだって、とても誇らしい闘いです!
やはりストーリー上では「足りないもの」の設計が重要です。
世界大恐慌時代に実在し、シンデレラのような大番狂わせを魅せた男の愛と感動の物語、是非ご覧ください!
追伸:12時を過ぎたシンデレラ社畜は、「残業」と「伝票」を家に持ち帰ります。
【映画】『シンデレラマン』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、ラッセル・クロウ主演の伝記映画『シンデレラマン』のご紹介です。
1930年代の世界大恐慌時代に実在したプロボクサー「ジェームス・J・ブラドック」の半生を描いた物語です。
心を揺さぶる感動ストーリーで、とても素晴らしい作品でした。
本作では、視聴者の心を掴む大きな要因となった、「欠けの演出」について考察、解説してまいります。
簡単に言うと、「欠け」というのは、「登場人物たちにとって不足しているもの」です。
例えば、
・大きな夢を掲げ、それに邁進する「自己実現の欠け」
・殺人事件が発生し、捜査に奔走する「真実の欠け」
・片思いをこじらせる「愛の欠け」
などなど。
登場人物たちがそれらを渇望し、それを手に入れるまでの道のりがそのままストーリーとなります。
つまり、欠けているものは、そのままストーリーの目的にもなる仕組みです。
(専門用語では「ストーリー・クエスチョン」や「セントラル・クエスチョン」というそうです。)
よく、「ストーリーには目的が必要」と言われますが、このように「何が欠けているか」で考えるアプローチ方法も脚本術としてはとても有効です。
お分かりの通り、本作では、世界大恐慌時代であることから、主人公たちは「お金」を失っていました。
困窮しており、子供に満足な食事も与えられず、熱が出ても病院へも行かせられない。
これらを見た多くの人は、「何とかしてあげて!」「お願い、誰か助けてあげて!」と強く思ったと思います。
本作で描かれていた「貧困」をはじめ、「病」や「孤独」「いじめ」なんかは、多くの人の気持ちを揺さぶります。
しかし、「欠け」さえあればなんでも有効という訳ではありません。
極端な逆説ですが、例えば、
「アラブの石油王が毎日贅沢三昧をしている最中、なかなか競売に出回らない幻の骨董品(30億)を手に入れたい!」
これも、欲しいものが欠けている状態ではありますが、視聴者から言わせれば「世の中舐めやがって。絶対に手に入れるな!お前の悔しがる顔を見せろ!」です。
(ある意味、これも心を掴んでると言えなくもないですが。笑)
例え、その骨董品が手に入らなくても、主人公は食うに困ることは微塵もなく、全くもって可哀想じゃないので、視聴者たちは白けてしまいます。
また、応用編としては、「欠けが生まれるまでの過程をドラマにできる」というものがあります。
よく、スポーツものや夢追いもので起用されますが、「別にそれを得なくても生活に大きな支障がある訳じゃないのに、必死になれる勝負や冒険」です。
この辺りはまた話が長くなりそうなので、おいおい別の機会に考察、紹介させていただきたいと思います。
総じて、本作『シンデレラマン』は、人々の心を揺さぶる「貧困という欠け」をベースに、珠玉の人間ドラマ、家族ドラマ、そして、痛快な大逆転劇が描かれたことで、素晴らしく面白い作品になっていたと考察します。
以上、『シンデレラマン』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
(また読んでね^^♪)
登場人物に「欠けているもの」がストーリーになる!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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