【面白い物語.6】映画『ディープ・ブルー』

■今日のつまらない無駄話(導入)
ついに、この時がやってきました…。
あと数時間で日曜日が終わります…。
また、始まります、社畜の日々が…。
深く、深く、ブルーな気持ちです…。
(꒪ཀ꒪)

さて!
本日はハラハラドキドキ感がたまらない、深く青い海でサメが大暴れする、おすすめシャークムービーのご紹介です!

『ディープ・ブルー』

映画『ディープ・ブルー』
【基本情報】

■メディア:映画(洋画)
■ジャンル:シャーク・スリラーパニック
■放映時間:1時間45分
■発表年度:1999年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:レニー・ハーリン
■脚本作家:

・ダンカン・ケネディ
・ウェイン・パワーズ
・ドナ・パワーズ
■興行収入:約220億円

『ディープ・ブルー』スーザン役(サフロン・バロウズ)

スーザン役
サフロン・バロウズ

(当時:27歳)

『ディープ・ブルー』カーター役(トーマス・ジェーン)

カーター役
トーマス・ジェーン

(当時:30歳)

『ディープ・ブルー』ジャニス役(ジャクリーン・マッケンジー)

ジャニス役
ジャクリーン・マッケンジー

(当時:32歳)

『ディープ・ブルー』ジム役(ステラン・スカルスガルド)

ジム役
ステラン・スカルスガルド

(当時:48歳)

『ディープ・ブルー』スコギンズ役(マイケル・ラパポート)

スコギンズ役
マイケル・ラパポート

(当時:29歳)

『ディープ・ブルー』プリーチャー役(LL・クール・J)

プリーチャー役
LL・クール・J

(当時:31歳)

『ディープ・ブルー』ラッセル役(サミュエル・L・ジャクソン)

ラッセル役
サミュエル・L・ジャクソン

(当時:51歳)

【ざっくりあらすじ】

水中深くにある研究所、そこではアルツハイマー病の治療薬が研究されていた。
それはサメの脳を人工的に改造し、その細胞から特効薬を抽出するというものだった。


しかし、その研究の影響でサメは高度な知能を持ってしまい、人間に襲い掛かり始める。
研究所に閉じ込められた一行は、決死の脱出を試みる。

みやごん

【ちょっと感想】
面白いです!
エンディングに少々疑問は残るものの、手に汗握る質の高いピンチと映像の演出。
キャラクターそれぞれに人間くささと役割がきっちり割り当てられており、内容も分かり易いです。
ハラハラドキドキ、少し刺激の強めなスリラー作品を楽しみたい人は是非!

追伸:「神様、これな何かのシャレかい?会社員がオフィスで過労死しかけるなんて…」

【映画】『ディープ・ブルー』が面白い理由
(ストーリー論的に解説)

『クリフハンガー』や『ダイ・ハード2』など、様々な名作を手掛けた「レニー・ハーリン」監督のスリラー・シャークパニック(サメ映画)でした。
感想でも触れた通り、とても面白い名作です!

他の作品と同様、映像の迫力などをはじめとした、様々な要素が絡み合って面白さを生んでることは言うまでもありませんが、本項では、ストリート論(プロット術)の観点から、少し的を絞った内容で解説、考察させていただきたいと思います。

本作の面白さはズバリ、「情報価値の作り方が秀逸だった」ということでした。
「情報価値」というと、小難しく聞こえますが、要は、
・この先が気になる。
・続きが気になる。
・結末がどうなるか知りたい。
・なんでこうなったのか、過去が知りたい。

といった感じです。

物語の基本的な価値は、この「情報価値」です。
作品を見る前に、結末を知ってしまうと、見る気が減るのは、この理由からです。

で、本作はその「情報価値」の作り方がとても上手かったと考察します。

「崩壊間近で閉鎖された水中空間で、知恵を持ったサメが、ありえない動きで人間に襲い掛かる。」というハラハラドキドキな設定で、「いつ誰がどうやって死ぬか分からない!」という情報価値(誰が生き残るんだろう?)が生まれていました。
(ちなみに、この、「いつ誰がどうやって死ぬか分からない!」は、「ゾンビもの」で多用されている技法です。)

もちろん、ひと口に「情報価値」と言っても、ありとあらゆる種類がありますし、いくら「情報価値」をデザインしたとしても、「続きが見たい!」と思ってもらえなければ価値はないので、作り方にはセンスが必要です。
本作は「パニックもの」として、舞台設定や映像の迫力、展開のテンポなど、総じてハイセンスな作りでした。

そして、もう一つ、本作が「情報価値の設計」において秀逸だったのは、「主人公(スーザン博士)とサメの関係性」でした。

本作の基本的な設定としては「サメが知能を持った!急いで逃げろ!もしくはサメを退治しろ!」なのですが、これだけだと、単純過ぎてしまうきらいがあります。

そこで、「主人公(スーザン博士)とサメの関係性」が組み込まれていました。
主人公のスーザン博士は、自分の研究のため、どうしてもサメの脳細胞が必要でした。
今は、自分たちの命を狙ってくる狂暴なサメであるにも関わらず、できればサメを殺したくないという立場でした。
この時、視聴者にとっては、いくつかの疑問(結局どうなるの?)が生まれています。

・主人公は自分が助かるためとはいえ、自分の全てとも言えるサメを殺せるのか?
・もし脱出成功したとしても、サメを失った主人公は、この先どうなってしまうんだ?
・そもそも、あんな狂暴なサメを上手いこと捕獲した上での脱出なんてまず無理。


更に言うと、これらの「情報価値(気になる)」を見事に成立させていたのは、以下の2点でした。
(ちょっと分かりにくいかもしれませんが、)

1.「主人公は基本死なない」という、暗黙の了解を伴った裏設定があるので、サメと主人公スーザン博士との戦いは最後まで引っ張れる。
2.主人公はどこか変わり者な感じなので、今何を考え、どういう行動に出るのかが分かりにくく、簡単に予想させない設計。

これらの要素が上手い感じに絡み合って、見事な「気になる!」「結末はどうなる!?」をデザインできたのが、本作『ディープ・ブルー』でした。

情報価値は、「あればあるほどいい」というわけではなく、多すぎると見る側にとってはストレスになりますし、内容が複雑すぎても、興味を持たれません。
センスが問われる領域ですが、ハイクオリティにまとめられていたのは、とても素晴らしかったと考察します。

以上、『ディープ・ブルー』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。ご高覧、ありがとうございました!

物語の基本的な価値は「情報価値」!

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この記事を書いた人

~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~

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