今日のつまらない無駄話(導入)
先日、かなり久々にガールズバーに行きました。
店内ではそれはもう、大盛り上がり。
お嬢のさわやかな笑顔と優しさに包まれ、ハッピーなお酒をかっ食らいました!
後日、そのお嬢と街でばったり会った時、笑顔で手を振り話しかけたのですが、見事なまでのスルー。
あの愛と優しさは店内という空間限定だったのね…。
。・゚(´pωq`)゚・。ヒドイィィィ
さて!
本日は「ソリッド・シチュエーション(限定状況)」というジャンルを世に知らしめたホラー界の超有名作品のご紹介です!
『ソウ』
■メディア:映画フィルム
■ジャンル:サスペンス・ホラー
■放映時間:1時間51分
■発表年度:2004年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:ジェームズ・ワン
■脚本作家:リー・ワネル
■興行収入:約148億円
ローレンス・ゴードン
演:ケイリー・エルウィス
(当時:42歳)
アダム・フォークナー
演:リー・ワネル
(当時:27歳)
デイビッド・タップ
演:ダニー・グローヴァー
(当時:58歳)
スティーブン・シン
演:ケン・レオン
(当時:34歳)
アリソン・ケリー
演:ディナ・メイヤー
(当時:36歳)
アリソン・ゴードン
演 – モニカ・ポッター
(当時:33歳)
ダイアナ・ゴードン
演 – マッケンジー・ヴェガ
(当時:10歳)
アマンダ・ヤング
演:ショウニー・スミス
(当時:35歳)
ゼップ・ヒンドル
演:マイケル・エマーソン
(当時:50歳)
ジョン・クレイマー
演:トビン・ベル
(当時:62歳)
ある時、老朽化したバスルームに二人の男が鎖で繋がれ監禁された。
部屋の中央には謎の自殺死体が転がっている。
誘拐犯はカセットテープを通じて二人にそれぞれゲームと称し指令を出し始めた。
監禁された二人は、決死の脱出劇を試みる。
【ちょっと感想】
ホラー映画に馴染がない方でも一度は扉絵を見たことがあるのではないでしょうか。
サイコパス・キラーを扱った内容ながら、エンタメ性のある見ごたえある作品です。
キャラクターを既知化しないで興味を持たせるという手法が目から鱗でした!
低予算、短期間で「最も成功したホラー映画シリーズ」としてギネスブックに掲載された作品を是非!
追伸:
ボク「あの、やっぱりお金払ってたから楽しくお喋りしてくれてたんですか…?」
お嬢「”ソウ”です。」
【映画】『ソウ』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
さて、先ほどもご紹介させていただいた通り、今回は「ソリッド・シチュエーション」というジャンルの代表作であるホラー映画『ソウ』のご紹介です。
本作は映画史上でも大きな功績を残した作品で、基本的な考察や解説に関しては、他のサイトをご参考いただければ幸いです。
参考:https://cinemaxina.com/saw/
意表を突くどんでん返しも素晴らしく、段々犯人に近づく謎解きも含め楽しめる作品でした。
ホラー映画にはいくつかのタイプがありますが、本作はいわゆる「サイコ・ホラー」です。
人間の狂気や錯乱を描くタイプ。
で、その題材にとてもマッチしているのが、「ソリッド・シチュエーション(限定状況)」です。
閉鎖空間においては、助けが呼べない、犯人の監視下に置いては一切の抵抗が出来ない中で自分が死ぬかもしれない。
閉所や暗所などを含め、ありとあらゆる仕掛けで追い詰め、恐怖と絶望感を与えることで、普段、まともな人が狂乱するのに打って付けです。
やりたくもない殺人命令、家族の人質、制限時間など、細部に渡って適切な仕掛けがありました。
「我々人間という生き物は、追い詰められるとこんな残酷なことをしでかしてしまう可能性がある恐ろしい生き物なんだ…」という類の恐怖を味わうものです。
と、ここまでは「ソリッド・シチュエーション・ホラー」に関する一般的な考察ですが、ここから本作の秀逸部分について考察してまいります。
さて、最近モヤモヤしていた部分にひとつの光が差しましたので、本作を題材に論述させいただきます。
本作『ソウ』に限った内容ではありませんが、何卒ご容赦ください。
今回考察させていただくのは、「気になる(引きの強い)犯人の作り方」という部分です。
ミステリーやサスペンス作品なんかを見ていると、高確率で発生する「犯人は誰だ?動機は何だ?」の流れ。
その多くは殺人事件の犯人だったりしますが、その中でも「この事件の犯人めーっちゃ気になる!」という強い引きのある犯人とはどういう者なのか。
結論から言うと、「犯人は誰だ?」ではなく「犯人はどんな奴だ?」の上位互換をデザインすることです。
例えば、「とある大企業社長の刺殺事件が発生しました、犯人は誰だ?」だと、少し引きが弱いです。
「犯人は誰だ?」という疑問を生むことは出来ますが、「犯人はどんな奴だ?」とはなりにくいです。
「まぁ社長に恨みを持ってる奴とかじゃない?」で自己結論に至ってしまします。
それがあっているかどうかは置いといても、見ている人は犯人に興味をそそられません。
では、どうすればいいか。
参考までに、過去観てきた作品の中で、めーっちゃ犯人の正体が気になった作品を挙げて行きます。
・映画『氷の微笑』
・映画『セブン』
・映画『ボーン・コレクター』
・映画『ソウ』
これらの作品に共通しているのは「トリック・キル(異常な殺し方)」です。
ただ刺す、撃つ、落とす、ではなく、その殺し方がどこか芸術的です。
こうした演出をすることで、観てる人は「わざわざこんなヤバい殺し方するなんて一体どんな人格してる奴なんだ?」という”引き”が生まれます。
また、殺し方が独特なので、その殺人事件や現場シーン自体が独立したプチエンタメにもなりますし、一連の事件が時間を追うごとに段々と繋がっていく下りはちょっとした「アハ体験」、かつ残虐性が刺激にもなっています(この辺りは『セブン』が特に秀逸)
余りにも支離滅裂な内容ではダメですが、ある程度の一貫性を持たせ、一般人には到底理解しがたいけど、想像の範囲内ではキャッチできる(気持ちは分からなくもない)程度の射程圏内でつかず離れずの距離感も重要となってきます。
ここで補足をしておかなければならないのは、犯人は大罪犯でありながら、視聴者の視線は「怒り」や「憎しみ」ではなく「興味」や「リスペクト」であるということです。
隠されているからこそ知りたくなる効果も相まって、自動的にストーリーにおいて最重要ポイントである「キャラクターの魅力」が自動生成されている点が挙げられます。
推理もの、サスペンス、ミステリーに標準付帯される「犯人は誰だ?」「動機は何だ?」という答え合わせ需要に対して、「犯人はどんなイカレ野郎だ?素性や過去は?」が追加付帯されるというカラクリです。
そしてこの手の演出に対し、忘れてはいけないのが「捜査側のどんちゃん騒ぎ」です。
要は「これだけの刑事や捜査官、関係者をここまで必死に大慌てさせる犯人って一体どんな奴?」という演出です。
これは結構あらゆる作品に有効な手立てですが、上記で紹介した作品群にももちろん使われていました。
(特に『ソウ』なんかは今まさに人質の当事者なのでレベチの阿鼻叫喚)
あくまで使い分けですが、謎解き重視の情報価値をデザインするなら、あまり犯人を目立たせ過ぎたり個性的にしすぎたりすると邪魔になるので、そこは要注意。
で、最後に少し無責任なことを言ってしまいますが、この手法が成立するのは、あくまで大手から配給出版等されている大型作品に限ります。
要は「これだけの殺し方演出してて、興味を引くだけ引いたんだから、最後まぁそれなりの納得感を味合わせてくれるんだよね?期待していいんだよね?」という裏の信用があっての”引き”が成立します。
アマチュア作品等でこの手法を用いるのは諸刃の剣でもあるので、ここも要注意となります(自戒も込めて)
以上、『ソウ』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
(また読んでね^^♪)
「ソリッド・シチュエーション」というジャンルがある!
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