【面白い物語.75】映画『ザ・タワー 超高層ビル大火災』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
ある日、仕事を怠ける社員に喝をいれるため、
「トイレ休憩を含め、全ての離席や外出をする際は逐一報告せよ」との戒厳令が敷かれた。
すると、社員からは不満の声が爆発し大炎上。
「プライバシーの侵害だー!」
「締め付け管理が厳し過ぎる!」
すぐに、そのルールは撤廃された。
後で聞いたんですが、不満の声を上げるのは決まって粛清対象として目を付けられてる怠慢社員だったらしい。
う~ん、ほんと、世の中そんなもんですよねぇ~…。
(;゚∀゚)
さて!
本日はとある高層ビルが大炎上してしまう、韓国発のファイアー・パニック映画のご紹介です!
『ザ・タワー 超高層ビル大火災』
【基本情報】
■メディア:映画
■ジャンル:ファイアーパニック・脱出劇
■放映時間:2時間1分
■発表年度:2012年
■製作の国:韓国
■映像監督:キム・ジフン
■脚本作家:
キム・サンドン
ホ・ジュンソク
■興行収入:約54億円
イ・デホ(施設管理チーフ)役
演:キム・サンギョン
(当時:41歳)
ソ・ユニ(フードモールマネージャー)役
演:ソン・イェジン
(当時:30歳)
インゴン(調理師)役
演:キム・ソンオ
(当時:34歳)
カン・ヨンギ(消防隊長)役
演:ソル・ギョング
(当時:45歳)
オ・ビョンマン(消防副士長)役
演:キム・イングォン
(当時:34歳)
イ・ソヌ(新人消防士)役
演:ト・ジハン
(当時:21歳)
【ざっくりあらすじ】
超高層ビルにヘリコプターが激突したことで未曾有の大火災が発生。
ビルに取り残された人たちは火災と高層で命の危機に立たされる。
レスキュー隊が必死の救出に当たるも、終焉のカウントダウンが始まる。
【ちょっと感想】
手に汗を握ります、面白いです!
人間模様もシンプルで分かりやすくいい感じです。
炎と高層、シリアルとコメディの融合、お見事です♪
エンディングは思うところもありますが、あの最後のシーン演出はオシャレ。
「怒り」のデザインについて、いいアイディアをいただきました。
累積観客動員数約350万人を記録した韓国映画の力作を是非ご覧ください。
追伸:住む場所が同じでも、住む世界が違うことってあるんですね。
【映画】『ザ・タワー 超高層ビル大火災』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、韓国発のデザスター映画『ザ・タワー 超高層ビル大火災』のご紹介です。
以前より定評の高い韓国エンタメの力量が感じられる、とても面白い作品でした。
ちょうど10年前ということで、今は中堅として活躍する俳優陣たちの若かりし頃の姿も、なんだか好印象です。
本作は名前はパッケージの通り、デザスター(災害)映画として、緊張感の連続です。
高層ビルで発生した追突事故と火災が舞台なので、「高さの映像」を利用できることが、まず挙げられるアドバンテージです。
(詳細は『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』をご高覧下さい。)
そして、人間をはじめとする動物は、本能的に火を怖がるそうなので、その点もプラスアルファな緊迫感を生んでいました。
そして、火を消化するための貯水庫にある大量の水までも、水圧や溺死の可能性を訪仏させていたことから、まさに「ハイブリット・デザスター劇」に相応しい作品でした。
映像の迫力も重なり、とてもハイクオリティです。
個人的には火や炎は、見舞われると「火傷」というハンデを得られるので、これがまたひとつのピンチを描ける材料だとも思っております。
大やけどを負えば見た目もかなりおぞましくなりますし、溺死や銃撃戦とちがって、即死にはなりずらい性質があるので、そこそこ展開を引っ張ったりもできるでしょう。
さて、本作の本質的な面白さの解説はここまでとなります。
今回は、ひとつの小技として、「怒りのデザイン方法」を論じさせていただきます。
(どちらかというと、筆者の備忘録的な記事となりますこと、ご容赦下さい。)
作品を見てもらう上では、感情の揺さぶりが大切になってきます。
何も感じず、平坦で、無感情、無気力な作品は、当然面白くありません。
感動だったり、悲哀、痛快、ほんわかした甘酸っぱい気持ちなど、とにかく何か感情を動かしてもらう必要があります。
そのひとつに「怒り」があります。
「ふざけるな!」「それは間違ってる!」「そんなの許せない」など、強い感情のひとつです。
本作では、あの横柄な金持ち女がキーマンでした。
極めて横柄な態度で家政婦を虐げ、自分が悪いにも関わらず逆ギレ。
「何様だコイツ!」と、観ている99%の人は強い怒りを覚えたと思います。
「こんな奴は罰を受けて然るべき!」とうい感情を集めた女性でしたが、結果は真逆。
比較的、安全な場所にいるにも関わらず、優先的に救出されてしまうという展開でした。
これを見て「ありえない!」「不公平、理不尽だ!」と、更なる強い怒りが生まれていたと思います。
このように、イヤなキャラを立てておいて、そいつが権力や金にモノを言わせて、甘い汁を吸う、罪を逃れる、優先的に命を助けらる、などの展開で、更に強い怒りの感情を生ませていたのが、秀逸な部分だったと感じます。
金持ち女、本人もそうですが、それを指示した本部への怒りも同時にデザインされていました。
「悪役を擁護することで、怒りを湧き上がらせる」というのは、意外と盲点な技だったと思い、ここに備忘録として記載させていただきました。
(感情を揺さぶる悪役の描き方については『アイシールド21』の記事をご高覧ください。)
以上、『ザ・タワー 超高層ビル大火災』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
「不公平に理不尽に悪役を勝たせる」ことで怒りがデザインされる!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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