【面白い物語.48】映画『コマンドー』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
世界で一番偉い人って誰だと思いますか?
( ー̀ωー́ ) ムム??
第三次世界大戦を食い止めた世界のリーダー? 違います、
多くの貧しさに手を差し伸べ続けた修道女? 違います、
同盟の架け橋となり、新時代を築いた維新志士? 違います、
世界で一番偉い人、そう、それは…
月曜日を明日に控えた今でも、生きるこをと決意した社畜です!!!!!
偉い、偉すぎる、ボク…
こんなに偉いのに、誰もご褒美をくれないの?
世の中、本当に世知辛いです…。
ウワァァ━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━ン!!
さて!
本日は、たった一人で世界大戦を引き起こすことの出来る男の超絶アクション超大作のご紹介です!
争いなんてフィクションの中だけで十分です。
一刻も早い世界平和を望んでいます。
『コマンドー』
【基本情報】
■メディア:映画(洋画)
■ジャンル:アクション
■放映時間:1時間32分
■発表年度:1985年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:マーク・L・レスター
■脚本作家:スティーヴン・E・デ・スーザ
■興行収入:50億円
ジョン・メイトリックス役
演:アーノルド・シュワルツェネッガー
(当時:38歳)
ジェニー・メイトリックス役
演:アリッサ・ミラノ
(当時:13歳)
フランクリン・カービー将軍役
演:ジェームス・オルソン
(当時:55歳)
シンディ役
演:レイ・ドーン・チョン
(当時:24歳)
アリアス元大統領役
演:ダン・ヘダヤ45歳
(当時:45歳)
ベネット役
演:ヴァーノン・ウェルズ
(当時:40歳)
サリー役
演:デヴィッド・パトリック・ケリー
(当時:34歳)
エンリケス役
演:チャールズ・メシャック
(当時:40歳)
沿岸警備艇レーダー迎撃士官役
演:ビル・パクストン
(当時:30歳)
【ざっくりあらすじ】
元一流軍人の主人公は、テロリストグループに一人娘を誘拐されてしまい、
「娘を返してほしくば、ある国の大統領を暗殺しろ」と命じられる。
主人公は命令に従ったふりをしながら、娘の奪還に動く。
追伸:「みやごんを起こさないでくれ。(本当にマジで)死ぬほど疲れている。」
【映画】『コマンドー』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、ハリウッドを代表するマッスル俳優「アーノルド・シュワルツェネッガー」の金字塔的アクション映画『コマンドー』のご紹介です。
数々のシュワルツェネッガー作品の中でも、代表的と言えるバトルアクション映画です。
ド派手なアクションを筆頭とする、王道的なアクションものでしたが、本項では、ヒロインであるシンディという存在にスポットを当て、彼女が生み出していた物語的効果をいくつか解説、考察させていただきます。
少し異質で、実に多くの効果を内包している存在なので、順番を追って解説させていただきます。
まず前提として、彼女はいわゆる「巻き込まれた第三者」です。
その名の通り「全く関係ない生活を送っていたけど、偶然、主人公メイトリックスに誘拐され、娘の奪還へ強制参加」させられていました。
比較的、ストーリーの主人公がいきなり、何かしらの事件に巻き込まれるというパターンが多い中、本作ではヒロインが巻き込まれるパターンでした。
また、悪役の人間が、ヒロインや何かしらの秘密、技術を持ってる人間を誘拐して強制的に協力させるのは自然な流れですが、主人公が全く関係のない一般人をさらって協力させるのは、少々異質な展開です。
(もちろん、メイトリックスがシンディに目を付けたのは、サリーがシンディを気に入っていたという利用価値を見出していたという、きちんとした導線がありました。)
シンディは目の前で起こる怒涛の展開に半パニック状態になりながら、やがて、事情を理解し、メイトリックスに協力していきます。
この過程において、脚本術として、彼女が生み出していた効果を整理していきます。
[その.1]緊急度合いの演出効果
まず挙げられるのは、主人公メイトリックスが、いかに追い込まれているか、その緊急度合いを演出していたことです。
冒頭でも記述した通り、正義の味方である主人公が、一般市民の女性を誘拐するなんて、普通はあってはならないことですが、要は、そうやって協力者を無理やりにでも得ないと、どうしようもない事態であることを演出していたということです。
いくら、メイトリックスが無敵の兵士でも、本当に無敵すぎて、一人であっという間に娘を救出してしまっては、面白みがありません。
基本的に、超頼れるスーパー軍人であるという支柱を立てながらも、どこか追い込まれている部分を演出することが、ストーリーにリアリティを生んでくれます。
「頼む、助けてくれ!」といったセリフは、それらをとても象徴してしました。
メイトリックスにとって、協力者が必要でしたが、装備も仲間もいない孤立無援の状態だったので、シンディを無理やり引き込むというのは、登場パターンとしても自然だったのが秀逸な展開でした。
[その.2]多種多様な対立構造(ピンチ)を生めていた
2つ目は多種多様な対立構造(ピンチ)を生めていたことです。
当然のことながら、ヒロインは突然、見知らぬ大男に誘拐されたことでパニックとなり、主人公の話を信じようとしません。
真相を共有できない二人には対立が生まれ、それが展開として発展していきます。
また、ヒロインは変質者に誘拐されたと感じたことで、周囲の警備員に助けを求めます。
その警備員もその話を鵜吞みにし、主人公を悪と勘違いして逮捕へと動きます。
このことから、主人公VS犯人という単純な対立構造から、ヒロイン、ひいては世間や警備員などをも巻き込んで、各方面から狙われる四面楚歌な状況を生み、多くの展開やピンチを生むことに成功していました。
「事情を知らない、巻き込まれた第三者」だからこその王道ストーリー展開です。
[その.3]「関係性の成長」という快感を生めていた
最後3つ目は、「”関係性の成長“という快感を生めていた」という部分です。
平たく言うと、シンディは最初、メイトリックスのことを変態誘拐犯だと思っていたけど、だんだんと事情を理解し、最後は味方になって積極的に協力してくれた、という部分です。
要は、関係性がいい方向に変化していったことで、視聴者に「よかった~」という安心感や快感を演出していました。
最初の方は、パニックになるシンディを見て「いやいや、メイトリックスは悪い奴じゃないんだよ!協力してあげてー!」というジレンマが続いていましたが、そのモヤモヤした気持ちがきちんと解消されるというものです。
(以前、『なんちゃって家族』考察した「状況的上から目線」の技法でもあります。)
また、この手法の有効性が高い部分としては、「それがゴールじゃない」という部分です。
本作の目的はあくまで、娘ジェニーの救出です、シンディの誤解を解くことがメインの目的ではありません。
ですが、最終目標を達成する途中、シンディの誤解を解いたことで、ひとつのプチ目的が達成されました。
これにより、気持ち的な加速が増します。
例えば、冒険ものなんかで言うと、
「最強の魔王を倒さないといけない。でも武器がない。強力な武器は高い。せっせとお金をためて、あれこれ紆余曲折がって、やっと武器を買えた!よーし、やっと手に入れた!これで魔王を倒すぜ、いけー!」的な感じ。
(自己啓発本や目標達成のHowToなんかでも、小さな目標を達成しながら、快感を得て、モチベーションをキープし、最終的には大きな目標を達成するという手法とした語られています。)
これらの他にも、「シンディは一般市民でか弱い女性、プロの軍人じゃないからこそ、主人公とバディを組んでも無敵過ぎにならない」といった部分も、設定として秀逸な部分でした。
以上、『コマンドー』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
物語りの中に「中ゴール」を設けることで没頭感を生める!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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