■今日のつまらない無駄話(導入)
以前、お付き合いしていた彼女とのデートの際、福岡のもつ鍋屋さんに行った時のお話です。
締めの雑炊で大量のネギを放り込まれました時、「ネギ嫌いだから、オレ食べない!」と、子供のようなワガママを放ちました。
どうも、「ミスター・アダルト・チルドレン」こと、みやごんです。
みなさまから非難轟々を受けそうなエピソードですが、ボクは20歳の時、成人式には行きませんでした。
つまり、正確にはまだ大人の儀を迎えていませんので、こんなワガママも許されてしまうのです!
だって、まだ子供だもぉ~ん♪
(๑´ڤ`๑)テヘペロ♡
さて!
そんな本日は、子供のワガママに頑張って向き合うお父さんの、孤軍奮闘、おすすめ痛快コメディ作品のご紹介です!
『ジングル・オール・ザ・ウェイ』
■メディア:映画(洋画)
■ジャンル:アットホーム・コメディ
■放映時間:1時間35分
■発表年度:1996年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:ブライアン・レヴァント
■脚本作家:
・ランディ・コーフィールド
・ハリー・エルフォント
・デボラ・カプラン
■興行収入:約175億円
ハワード・ラングストン役
アーノルド・シュワルツェネッガー
(当時:49歳)
リズ・ラングストン役
リタ・ウィルソン
(当時:40歳)
ジェイミー・ラングストン役
ジェイク・ロイド
(当時:7歳)
マイロン・ララビー役
シンバッド
(当時:40歳)
テッド・マルティン役
フィル・ハートマン
(当時:48歳)
ハンメル巡査役
ロバート・コンラッド
(当時:61歳)
ショッピングモールのサンタ役
ジェームズ・ベルーシ
(当時:42歳)
主人公は仕事で空手発表会に行けず、最愛の息子に嫌われてしまった。
関係回復のため、息子が欲しがるヒーロー人形を買いに出かけるが、
大人気商品であることから、売り切れが続出し、なかなか手に入らなかった。
聖なる夜に、ライバルたちとの死に物狂いな争奪戦が始まる。
【ちょっと感想】
コメディ映画として質も高く、アットホームな雰囲気もいい感じです♪
エンディングやオチもグッド、多くの人に楽しんでもらえると思います。
がんばれ、世界中の働くお父さん!
男の中の男、シュワルツェネッガーが魅せた別の魅力満載。
ほっこり笑える作品を楽しみたい方は是非!
追伸:社畜レンジャー「多忙マン」参上!!!
【映画】『ジングル・オール・ザ・ウェイ』が面白い理由
(ストーリー論的に解説)
今回のご紹介は、アメリカン・ホームコメディ作品として楽しめる『ジングル・オール・ザ・ウェイ』です。
各所エンターテインメント性に富んだ作品で、肉体派アクションスターであるアーノルド・シュワルツェネッガーが家庭に振り回されるるパパ役を熱演したことで、質のいいギャップもあり、総じて楽しめる作品でした!
ご多分に漏れず、本作も様々な面白要素がありますが、本項では、面白さの秘訣として、「感情移入の作り方が素晴らしかった」という点を紹介、考察させていただきます。
簡単におさらいすると、「感情移入」とは、「自分とは関係ない事柄やストーリーを見たり聞いたりして、自分の持ってる感情や気持ち、心が揺れ動く状態」と、以前の記事でご紹介させていただきました。
本作でそれが最大限に組み込まれていたのは、ずばり冒頭部分です。
「主人公のハワード(アーノルド・シュワルツェネッガー)は仕事の都合で、空手発表会に間に合わず、最愛の息子から愛想をつかされる」というものでした。
これにより、夫婦関係もギクシャクし、家庭内はとーっても気まずい空気になります。
これを見た視聴者は、
「本当に気まずいだろうなぁ…。」
「息子にあんな態度取られて、いたたまれないだろうなぁ…。」
「これでオモチャまで手に入れ損ねたら、もう地獄だなよなぁ…。」
といった気持ちになり、主人公ハワードに深く同情し、不憫に思い、いつしか感情が揺さぶられて行きます。
(心臓がキューッとなるあの感じ。)
実は、このシーンには、とっても奥深いポイントが隠されていました。
何故、こんな気持ちになれた(強く感情移入できた)かというと、
「人間が人生の中で最も避けたいことである、”愛する人から嫌われる”という現象をダイレクトに表現していたから」です。
人はみな「他人との関係性」の中で生きており、その本質は「みんなから好かれたい(嫌われたくない)。」です。
いろいろ突き詰めると、これが人生の中で一番大切なことで、人が行動を起こす起こさないの基準になる最大の決め手です。
家庭で、学校で、職場で、気になる人が自分をどう思っているのかはとっても気になりますし、嫌われてしまったらとってもショックです。
それが、最愛の家族が相手ということなら、なおさらです。
なので、あの冒頭シーンでは、主人公の気持ちが潜在的に、痛いほど、よく分かるというカラクリです。
その究極体をダイレクトに表現したのが、本作の冒頭シーンでした。
例えばの話ですが、「殺人事件の真相を解明するぞ!」や「世界で一番のお宝を見つけるぞ!」や「人生で一番大切なものを探す旅を!」などは、「人から好かれたい(嫌われたくない)」ということとは直結しないので、本作のような「刺さる感情移入」にはなりにくいです。
(これらの演出が悪いという意味合いではなく、あくまで例え話です。)
付け加えて、「好きな人から嫌われてしまった」という設定を、子供が小さい親子関係で演出したのが、とても秀逸でした。
理由としては、
・もちろん、人生の中で一番大切な相手だから、嫌われた場合のショックが最大限。
・血のつながった親子なので、無償の愛が初期設定されており、愛し合っている理由の説明が不要。
(赤の他人同士なら、その人がどれほど好きか、上手い事前説明が必要)
・家庭内なので、常に気まずいムードが漂い、緊張が途切れない。
(夫婦なら別居できるし、恋人なら会わないという選択が取れてしまう)
・本来は最愛の間柄なので、、ハプニングによって180度関係性が反転するふり幅が演出されていた。
・子供が小さいので、「仕事のためだった」といっても、理解できないし通用しない。
以上の理由から、「好きな人の信頼を裏切ってしまった、何とかしなきゃ!」という緊張感を最大限に膨らませ、また途切れさせない仕掛けが成立します。
そして、もうひとつ。
「オモチャを手に入れることでその信頼を取り返すチャンスがある」というところが、やはり秀逸でした。
この「好きな人の信頼を裏切ってしまった」という設定には、「取り戻すチャンスがある」というのが、とても重要です。
「完全に嫌われて、もう、何をやっても無理、諦めるしかない…」だと、緊張の糸が切れ、脱力してしまいますが、「オオチャを手に入れれば機嫌を直してくれる」という償いのチャンスがあることで、
「絶対にオモチャを手に入れて!これ以上、期待を裏切らないで!もし、これでオモチャまで手に入らなかったら、もう…」といった風に、主人公の頑張りで、大好きにも大嫌いにもなれるふり幅の聞いた状態が、期待と不安を生み出し、物語に没頭させることが出来ます。
少し細かいことなのですが、「信頼を取り戻すチャンスがある」を作るためには、相手側の心理デザインにも気を配る必要があります。
極端な話、「誤って相手の家族を事故で死なせてしまった」という設定であれば、もう何をしても許してもらえるはずないので、本作のような質のいい緊張感は生まれません。
なので、「恨まれてる、憎まれてる」よりも、「嫌われた」「誤解された」「スネられた」位に止めるのが、ベターです。
これらのことがあの短い冒頭シーンに組み込まれていたことで主人公ハワードがオモチャを求める旅に拍車がかかり、犯罪すれすれまで手を染める部分にも説得力が増し、面白くなるという内容でした。
以上、『ジングル・オール・ザ・ウェイ』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧、ありがとうございました!
人間最強のモチベーションは「嫌われたくない」!
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