【面白い物語.105】映画『縞模様のパジャマの少年』

【今日のつまらない無駄話(導入)】

昔、会社をクビになりそうになった時、ヤケクソ覚悟で彼氏持ちの女性同僚に思い切って告白しました。
(前から好きだったので)

結果は見事惨敗、それはまぁヒドいフラれ方をしました…。
ボクと彼女の間にはベルリンの壁を遥かに超える厚い障壁が見えました…。
(꒪ཀ꒪)

さて!
本日はドイツの首都ベルリンから始まる、かなりヘビーな有名作品のご紹介です!

『縞模様のパジャマの少年』

【基本情報】

■メディア:映画フィルム
■ジャンル:戦争ドラマ
■放映時間:1時間35分
■発表年度:2008年
■製作の国:アメリカ合衆国、イギリス
■映像監督:マーク・ハーマン
■脚本作家:マーク・ハーマン
■原作作家:ジョン・ボイン
■興行収入:約200億円

ブルーノ
演:エイサ・バターフィールド
(当時:11歳)

シュムール
演:ジャック・スキャンロン
(当時:10歳)

ラルフ(ブルーノの父)
演:デヴィッド・シューリス
(当時:45歳)

エルサ(ブルーノの母)
演:ヴェラ・ファーミガ
(当時:35歳)

グレーテル(ブルーノの姉)
演:アンバー・ビーティー
(当時:15歳)

コトラー中尉
演:ルパート・フレンド
(当時:27歳)

マリア
演:カーラ・ホーガン
(当時:24歳)

【ざっくりあらすじ】

第二次世界大戦中のドイツ。
主人公のドイツ人少年は、収容所のユダヤ人少年と出会う。


互いに詳しい事情を知らない二人は、密会を繰り返し友情を深める。
しかし、戦争という魔の手が、二人に残酷な運命をもたらしてしまう。

みやごん

【ちょっと感想】
胸糞エンディングの代表作として名高い本作ですが、評価の通りでした。
あまり気持ちを鎮めたくない時には観ない方がいいかもしれません。
しかし、戦争の愚かさを伝えてくれるという点で、とても意味のある作品だと思います。

追伸:戦争の中で無念の最期を迎えてしまった多くのユダヤ人たちが安らかに鎮魂されるよう心よりご冥福をお祈り申し上げます。

【映画】『縞模様のパジャマの少年』について
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)

感想でもご紹介した通り、今回はエンディングにいわくつきの作品『縞模様のパジャマの少年』のご紹介です。
決して卑下する意図はなく、ご紹介に値する作品として、記事にさせていただきました。

この手の作品を「面白い」とか言うのは少し不謹慎なような気もするので、今回は少し指向を変えて、ストーリー論の観点から少し気になった部分をいくつか備忘録として記載させてください。

まずは冒頭のシーン。
優雅な上流階級の生活が描かれる横で、ユダヤ人が強制連行される無慈悲な場面が写ります。
この時に流れていた音楽はとても上品なもので、音楽と映像のギャップで人間の惨さを演出するのはある意味で秀逸だと感じました。

また、戦争の愚かさを伝える役目として、ユダヤ人はもちろん、ドイツ側の人物たちも惨い運命に晒されている部分が、メッセージ性を強めていると感じました。
単純な勧善懲悪ではなく、追い詰める側も追い詰められる側も、戦争という悪の犠牲者となっている構造です。
(ブルーノ一家の家庭崩壊やコトラー中尉の前線出向命令など)

そして「権威性の演出」に関しても、とてもバランスが取れていると感じました。
どういうことかと言うと「思わず”へー!”と言いたくなるような豆知識を盛り込んで作品の説得力を上げる」ということです。

本作のストーリー自体は創作ですが、史実がベースに書かれております。
なので、実際にあった出来事をさり気なく盛り込むことで「すごくちゃんと作られてる作品なんだなぁ!」と、説得力が増します。

例えば、
・主人公ブルーノの母であるエルサが、上位軍人の妻でありながら、ユダヤ人虐殺の事実を知らなかったこと。
・身内に反ユダヤがいる場合、上官への報告義務があり、怠るとペナルティがある(コトラー中尉の左遷)

一般的には知られていない筋の通った(言われて”なるほど!”と言えるよな)事実を知ると、ある種のアハ体験を感じられます。

ここで重要なのは”バランス“です。
いくら知らなかった事実を知れたとしても、その数があまりにも多すぎるとただの”つまらない授業”となってしまいます。
軽く、さり気なく、数個程度をバランス良く配置することでエンターテインメント性を損なわず、効果的なアハ体験を提供できるという点も素晴らしかったです。

総じて、作品性質の長所と弱点を明確に捉えた描き方だったと感じました。

以上、『縞模様のパジャマの少年』という作品に関する個人的な所感でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
(また読んでね^^♪)

作品の性質を明確に整理することで質が高まる!

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この記事を書いた人

~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~

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