【面白い物語.86】アニメ『クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
最近、老いを感じますねぇ~。
歳は取りたくないなぁ。
(;´Д`)アァァ…
もし何でも願いが叶う魔法の壺があれば、永遠の若さをお願いするのになぁ~。
.・゚(๑✧▽✧).゚・.
…おっと、いかん!
この世には歳を取りたくても取れなかった人が大勢いるんだ。
今日の当たり前に感謝しながら平凡な人生を生きていきましょう♪
(-人-)アリガトウゴザイマス!!!
さて!
本日はどんな願いでも叶ってしまう魔法の壺を巡った、あのおバカな5歳児たちが大暴れする、おすすめ劇場版アニメーション作品のご紹介です!
『クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝』
【基本情報】
■メディア:長編アニメーション映画
■ジャンル:秘宝アドベンチャー・コメディ
■放映時間:1時間36分
■発表年度:1994年
■製作の国:日本
■映像監督:本郷 みつる
■脚本作家:原 恵一
■原作作家:臼井 儀人
■興行収入:20億6000万円
ぶりぶり王国の国王
声優:宮内 幸平
(当時:65歳)
ジャングルの子ザル
声優:こおろぎ さとみ
(当時:32歳)
小宮 悦子
声優:小宮 悦子(本人)
(当時:36歳)
【その他レギュラーメンバー】
野原 みさえ(声優:ならはし みき / 当時:34)
野原 ひろし(声優:藤原 啓治 / 当時:30)
吉永 みどり(声優:高田 由美 / 当時:33)
北本 れい子(声優:鈴木 れい子 / 当時:50)
【ざっくりあらすじ】
とある悪の組織は、強力な秘宝を手に入れ、世界征服を企んでいた。
その秘宝の鍵となるのは、とある王国の王子であり、組織は王子を誘拐する。
時を同じくして、主人公一家は組織の陰謀に巻き込まれてしまう。
【ちょっと感想】
安定のクレヨンしんちゃんワールド、ギャグやコメディのセンスなどは勿論、秘宝や冒険などのロマン感も満載の大作です。
「インディ・ジョーンズ風のアクション映画にしてほしい」という原作者/臼井儀人先生のご希望通りのスペクタクル感でした!
「キャラクター・アーク」という概念について、改めて勉強させていただきました。
30作を超える劇場版クレヨンしんちゃんシリーズの中で、興行収入20億超えを果たした二作に数えられる名作を是非ご覧ください!
追伸:
「小宮悦子のパンティが欲しい!」と言わなかったしんちゃん、偉いぞ!!!
(ウーロンも見習えや。)
【アニメ】『クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は、国民的長寿アニメーション、「クレヨンしんちゃん」の劇場版第2弾『ブリブリ王国の秘宝』のご紹介です。
原作者である臼井儀人氏から「第2作はインディ・ジョーンズ風のアクション映画にしてほしい」という要望から実現されたスペクタクル・ファンタジー作品でした。
1993年から始まり2022年現在までに30作品を超える劇場版クレヨンしんちゃんシリーズの中でも、トップクラスの興行収入を記録したヒット作品です。
アクションシーンもアニメならではの本格演出があり、キャラクターも血が通っていて総合的にクオリティの高い作品だと思いました。
さて、本項ではプロット術の観点から「キャラクター・アーク」という技法を取り上げたいと思います。
本作での起用部分などを踏まえ、解説、考察させていただきます。
まず、「キャラクター・アーク」というのは、プロット術や脚本術でよく取り沙汰されるもので、直訳すると「物語の過程で生じた登場人物の精神的な変化のこと」です。
例えば、
・聖人君子だった主人公が理不尽な扱いを受けたことでダークサイドに堕ちる(非道な悪者になる)。
・敵の組織の一員だった兵隊がヒロインの優しさに触れてこっちの仲間になる。
・ワガママだったお嬢様が苦難を乗り越えたことで世のため人のための人生を生きるようになる。
などなど。
よくストーリーものを見る時「主人公が成長していく姿が素晴らしい」などと言われますが、これも、この「キャラクター・アーク」の概念の一種です。
(成長も変化のひとつなので。)
で、この「キャラクター・アーク」つまり「登場人物の精神的変化」が、どうストーリーにいい影響を及ぼすかというと、最たる効果は「視聴者がその登場人物の深い理解者になれる」という点です。
要は、視聴者がそのキャラクターを好きになる、感情移入できる、味方になる、といった効果です。
もちろん、一人のキャラクターが出て来て、エピソードを交えながらどういう性格や能力の持ち主であるかを説明することで、理解は深まります。
しかし、その表面上の部分だけでは、好き嫌いが分かれますし、最悪は無関心無興味ということもあり得ます。
但し、一人のキャラクターが登場してから、ストーリー展開をする過程で、何かが変化したり、成長したりする過程を生で見ることで、そのキャラクターの歴史を知る証人となることが出来ます。
我が子の成長を見守る親と似た感情で、そこには一歩深い理解と味方感や友達感が発生します。
例え、それが悪人で、悪行三昧をしているキャラクターであったとしても、「まぁ、ひどいことしてるけど、あんなことがあったんだから、仕方ないよねぇ…」と味方姿勢になってくれることがほとんどです。
(無論、変化には理由が必要なので、その行動を納得させる過去(理由)は必要です。)
友達理論として、「特に何も大きな変化はなかったけど、長い時間一緒にいるから情が湧いた。俺はコイツのことを深く理解してるし、味方だ。」でも似たような効果は得られますが、かなりの長い時間が必要なので、コスパは比較的悪いです。
それより、何かしらの変化をつけることで、比較的短い時間で、そのキャラクターへの理解を深めることが出来ます。
ここでひとつ注意点としては、「過去の回想では効果が薄い」という点です。
たまに、明らかにいわくつきのキャラクターが出て来て、過去を聞いてみると、それなりの理由があった、というパターンがあります。
(例:どんよりとした雰囲気をまとい、必要以上に周囲に対し無愛想な男。しかし過去を聞いてみると、任務の事故で家族を失っていた。)
これも、「キャラクター・アーク」と言えばそうなのですが、視聴者側の気持ちとしては、最初に見た姿が基準となるので、その時点から過去を振り返っても、自分が関わっていない時代の他人事です。
筋の通った納得感やキャラクターに対する理解は深まりますが、成長を見守ったという愛情に近い感情までは生まれにくいです。
「キャラクター・アーク」の効果を高めるためには、時系列に沿って、登場した時点からの変化を描く必要があります。
本作で言えば、オネェの2人組「ニーナ」と「サリー」がそうでした。
当初、アナコンダの部下として適役ではありましたが、大変な任務ばかり負わされた挙句、褒美は無しといった処遇に堪忍袋の緒を切り、裏切り、しんちゃんたちの味方になっていました。
残念なことに、映画作品であったため、変化があってからの時間は短かったのですが、もし続編があれば、この2人はとても視聴者側から絶大な支持を受けていたと思われます。
「こいつら、最初(前作)は敵だったけど、アナコンダが嫌いで裏切ったんだよね~」という、ある種のどや顔を視聴者側にデザインすることも、効用のひとつと言えます。
以上、『クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
(また読んでね^^♪)
キャラクターの変化は視聴者を深く取り込める!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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