【面白い物語.57】映画『アルマゲドン』
【今日のつまらない無駄話(導入)】
とあるインフルエンサーのお言葉。
「この日本で生き残るのは、紛争地帯で生き残るのと同じくらい凄いこと!」
皆さん、今日も生き残った自分をたっぷりと褒めてあげましょう。
そしてまた明日からも生きていきましょうね♪
d(^^*)
さて!
本日は人類そのものが絶望的に生き残ることが難しくなってしまった中、14人の英雄に運命を託す、超おすすめ宇宙SF作品のご紹介です!
『アルマゲドン』
【基本情報】
■メディア:映画
■ジャンル:宇宙SF(スペース・アクション)
■放映時間:2時間30分
■発表年度:1998年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:マイケル・ベイ
■脚本作家:
ジョナサン・ヘンズリー
J・J・エイブラムス
■興行収入:約300億円
ハリー・スタンパー役
演:ブルース・ウィリス
(当時:43歳)
グレース・スタンパー役
演:リヴ・タイラー
(当時:21歳)
A・J・フロスト役
演:ベン・アフレック
(当時:26歳)
ダン・トルーマン役
演:ビリー・ボブ・ソーントン
(当時:43歳)
ロックハウンド役
演:スティーヴ・ブシェミ
(当時:41歳)
チック・チャップル役
演:ウィル・パットン
(当時:44歳)
ジャイティス・カーリーン役
演:マイケル・クラーク・ダンカン
(当時:41歳)
オスカー・チョイ役
演:オーウェン・ウィルソン
(当時:30歳)
マックス・レンナート役
演:ケン・キャンベル
(当時:36歳)
ウィリアム・シャープ役
演:ウィリアム・フィクナー
(当時:42歳)
レヴ・アンドロボフ役
演:ピーター・ストーメア
(当時:45歳)
【ざっくりあらすじ】
小惑星が地球へ衝突することが判明し、滅亡の危機を迎える。
唯一の回避策は、直接その小惑星に降り立ち、深い穴を掘って、中から爆破するというもの。
任務の性質上、主人公率いる、腕利き石油採掘マン達に白羽の矢が立った。
【ちょっと感想】
壮大でありながら、分かり易くまとめられたとても面白い映画です!
サイエンス・フィクションだけに偏らず、きちんと上質な人間ドラマが散りばめられています。
やはり、作品に温度を通わせるのは、人間ドラマなのでしょう。
ズブの素人を巻き込む過程と効果については、とても勉強になりました。
ただ、あのくじ引きのあのシーン、あそこは彼に任せてもよかったんじゃ?とは思いますけど。笑
2時間30分を飽きさせない超大作。当時、主題歌と共に大ヒットを飛ばした作品です。ブルース・ウィリス主演のちゃーんと面白い、見て後悔しない名作を是非!
追伸:
会社「5つの言葉を送ろう。明日・シフトを・変わって・仕事に・出るんだ」
ボク「俺はこの10年、あんたに”ノー”と言ったことはない。やるよ。」
【映画】『アルマゲドン』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回はブルース・ウィリス主演の宇宙SF映画『アルマゲドン』のご紹介です。
スペース・スペクタクル劇として、宇宙を舞台にした壮大な作品です。
外からは破壊出来ない隕石を何とかするべく、腕利き炭鉱マンたちが現地に降り立ち、穴をあけて中から爆発、といった、無茶難題ながらも、理にかなった、しみこみやすい設定もありでした。
人間ドラマも合わさり、とても良作だったと感じております。
映像作品ならではの迫力があり、その面白さの要因はもちろん様々ですが、本項ではストーリー論の観点から「巻き込まれた第三者」という手法について考察、解説してまいります。
まず、「巻き込まれた第三者」というのは、その名の通り、「普通に生活していたのに、ある日突然、何かしらの理由で事件や争いなどに巻き込まれた無関係の人」です。
いろいろなパターンがありますが、例えば、
1.特定の能力があるから組織にスカウトされるパターン。
2.全くの素人だけど、あるきっかけでその世界に生きなければいけなくなったパターン。
3.ぜんぜん関係ない世界の人間だったけど、ひょんなことから異世界の住人と運命共同体になってしまうパターン。
などなど。
本作は1のパターンで、平凡な炭鉱マンたちが、いきなり宇宙に行って命懸けのミッションに参加する流れでした。
(厳密に言えば、第三者という訳ではありませんが、技法の根源は同じなので、ご容赦ください。)
いろいろな作品を見ても、このパターンは実に多く存在します。
よく、アニメやマンガなどでも多用される技法で、ヒーローとして覚醒したり、事件の当事者となり、あわあわしながら解決に向けて力を振り絞る展開です。
例えば、
『美少女戦士セーラームーン』
『BLEACH』
『クレヨンしんちゃんの映画シリーズ』
『ドラえもんの映画シリーズ』
などなど。
物語りの導入として用いられる技法ですが、この展開にはもちろん、ストーリー的に効果的な意味があります。
その代表的な役割は「説明書」です。
ファンタジー作品なんかだと、作者が独自に作り上げた世界観は、まずそのルールや成り立ちなんかを視聴者に説明しないといけません。
しかし、その世界の住人同士の会話では、その辺りの説明が行われません。
(普段からその世界に住んでるので、いちいち口に出してあーだーこーだ説明するのは不自然です。)
そこで、全く関係ない人間をその世界に巻き込むことで、説明の会話が発生します。
「一体ここはどこだ?あの怪物はなんだ?何がどーなってんだ?」
「あぁ、お前地球って星から来たのか?ここは●●って異世界で、あれは●●って幻獣で、我々は●●で、生き残るためには●●しなければならない」的な感じ。
本作でも、宇宙技術につてはずぶの素人である炭鉱マンたちがスカウトされたことで、宇宙飛行士の訓練を行う過程が描写されていました。
専門知識を持たない視聴者に対し、ざっくりと、宇宙のイメージや概要を伝える重要な作業が自然と描かれています。
ちなみに、ある編集者の方が「ドラゴンボールで悪役が二人一組で登場するのは、会話の中で説明させるため」とも仰っていましたが、こちらも同じ原理です。
また、補足的な効果としては「ギャップによる比較効果」が生まれる側面もあります。
例えば、
巻き込まれた側女性キャラクターを魅力的に見せたい場合は、「ゴリゴリの筋肉傭兵部隊に新人兵士として編入」させたり、巻き込んだ側のオジさんキャラを魅力的に見せたいなら、「若き天才プログラマー集団にプログラミングコードを開発したパイオニアとして登場」させたり。
このように、素人や住む世界が違う人間を巻き込んで、説明書の役割を担う他に、老若男女を自然に織り交ぜたり、比較対象として、特定の人物を際立たせる効果も大きく期待できます。
で、実際に巻き込まれた後、その人物は事件や争いに身を置くことになるのですが、その過程で成長し一人前となっていくのが王道パターンです。
王道を言われるからには、それが面白くなりやすいという部分はもちろんありますが、個人的には、ありきたりな展開を描くより、いい感じのところで死亡してもらって物語の緊張感を高めたり、区切りがついたところで引退してもらって、味方がピンチの時に一夜限りの復活と言った方が、新しい展開でストーリー的にも自然な使い方かなと感じております。
以上、『アルマゲドン』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
関係ない第三者を登場させると説明書の役割を果たしてくれる!
この記事を書いた人
~物語論研究20年~
~処女作が大手小説新人賞一次に通過~
~ポートフォリオ作品が新人賞最終選考~
~高い実績を持つ業界専門家から指導経験有~
~文章/文書に関し多くの資格を保有~
~大手外資系企業勤務(一流社畜)~
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