【今日のつまらない無駄話(導入)】
過去を振り返ってみれば、本当に真面目な人生を送ってきたものだと痛感します。
学生時代は学級委員長で校則ひとつ乱さず、大人になり取得した運転免許はゴールドカード。
しかし、人間とはないものねだりが性、ワルの世界に憧れを持ってしまうものなんですねぇ。
一度でいいから、手の付けられない不良だと周囲から恐れられ、美人女性警官に藤島康介氏の代表作的セリフを投げかけられたいものです。
さて!
本日は自身のトラウマと戦う美人警官が活躍する、本格おすすめサスペンス・ミステリー作品のご紹介です!
『ボーン・コレクター』
■メディア:映画(洋画)
■ジャンル:サスペンス・ミステリー
■放映時間:1時間58分
■発表年度:1999年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:フィリップ・ノイス
■脚本作家:ジェレミー・アイアコーン
■興行収入:約95億円
リンカーン・ライム役
演:デンゼル・ワシントン
(当時:45歳)
アメリア・ドナヒー役
演:アンジェリーナ・ジョリー
(当時:24歳)
セルマ看護師役
演:クィーン・ラティファ
(当時:29歳)
リチャード・トンプソン役
演:リーランド・オーサー
(当時:39歳)
ハワード・チェイニー役
演:マイケル・ルーカー
(当時:44歳)
エディー・オーティズ役
演:ルイス・ガスマン
(当時:43歳)
優秀な科学捜査官である主人公は、捜査中の事故で寝たきりの状態となってしまう。
尊厳死を望みながらも、その頭脳を活かし、とある連続猟奇殺人事件の捜査に参加することになる。
途中、トラウマを抱える若き女性警官の才能に気付き、捜査チームへスカウトする。
主人公と女性警官はぶつかり合いながも、犯人逮捕に向けて、捜査を進めていく。
【ちょっと感想】
ダークな部分に偏り過ぎていない、バランスの取れたサスペンス・ミステリーでした。
複雑な心理描写も最小限に抑えられていて、理解の追いつく内容だと思います。
スター街道まっしぐら直前、若き日のアンジェリーナ・ジョリーがその演技力を発掘された作品でもあります。
登場人物たちにきちんと血が通った上質なサスペンス・ミステリーを楽しみたい方は是非ご覧ください!
追伸:
「運命は自分の力で切り開く!」
その為にこのBlogを書いてるので、もしどうにもならなかったらデンゼル・ワシントンのBlogを炎上させてやります。
(彼がBlogをやってるかどうかは知りませんが。)
【映画】『ボーン・コレクター』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回はデンゼル・ワシントン主演の本格サスペンス作品『ボーン・コレクター』のご紹介です。
まだ当時は無名に近かったアンジェリーナ・ジョリーがスター女優になる直前の作品です。
彼女の素晴らしい演技力が大絶賛された本作に抜擢されたそうです。
推理サスペンスものとして、だんだんと犯人に近づいていく快感や、きちんと血の通った登場人物たちと、その人間関係など、たくさんの面白い要素が盛り込まれた名作でした。
特に、最初の犠牲者となった女性に関しては、しっかりと「緊張感を生むために必要な犠牲」としての役割が果たされていました。
「サッと出て来て、すぐに死ぬ」ではなく、たっぷりと尺を使って、その慟哭や悲惨さなどが描写された上での絶命でしたので、「もしかしたらギリギリで助かるかも?」といった期待感が生まれており、それを裏切られたことで、一層の落胆感と、以降の展開に対する緊張感が生まれていました。
あのパターンだと、死んでも助かってもおかしくなかったので、その展開が最初に描かれていたことで、「この先、マジでどうなるか分からない!」的な感じです。
捜査を邪魔する石頭刑事ハワード・チェイニー(マイケル・ルーカー)も「内部の敵」として配置されており、スムーズにいかない展開がエッセンスを加えています。
さて、本項では、ミステリー作品のサブジャンルとして有名な「安楽椅子探偵」という設定を主軸に解説、考察してまいりたいと思います。
まず「安楽椅子探偵」とは、その文字の通り、探偵や捜査官が、実際に事件現場に赴くことなく、情報やデータなどの手がかりのみで事件を解決する作品群です。
別名「アームチェア・ディテクティブ」とも呼ばれ、『DEATH NOTE(デスノート)』に出て来る「L(エル)」なんかも有名だと思います。
本作をご覧いただいてお分かりの通り、主人公のリンカーン・ライム(デンゼル・ワシントン)は事故で全身不随になり、ベッドに寝たきりの状態で捜査を行っているという、典型的な作品でした。
いち設定として扱われがちな「安楽椅子探偵」ですが、当然のことながら、ストーリー的にも大きな好影響があります。
大きな点としては、「不便が生まれる」という点です。
当然のことながら、物語としては、事件が発生して、何の問題もなくすぐに解決してしまっては、面白くありません。
難航や想定外、紆余曲折があった後に解決して、初めて面白さが生まれます。
もし、一人の天才捜査官がすぐに犯人を見極め、肉体派でもあることから、誰の力も借りず犯人を逮捕してしまっては、面白くありませんが、この「安楽椅子探偵」はそれを自然に防いでくれます。
自分は部屋や椅子から動かないので、どうしても誰かの助けを借りて、チームワークで事件を解決しないといけません。
この時に、意見の亀裂や入れ違い、コミュニケーションミスなどが発生することで、スムーズな解決を阻害してくれます。
(例えば、アメリア・ドナヒー(アンジェリーナ・ジョリー)と主人公リンカーンとのぶつかり合い(人間ドラマ)などの部分。)
そして、本作が特に秀逸だったのは、「全身不随により、安楽椅子探偵にならざるを得なかった」という点です。
主人公リンカーンは事故により全身不随となり、本当は現場に捜査に行きたくても行けないという設定でした。
つまり、安楽椅子探偵になるに至った理由が圧倒的に正当で、誰もが納得できるものだったのです。
例えば「現場に行かないで事件を解決するのが俺のポリシーだ」とかややこしく独りよがりなことを言われても、「知らねーよ…」といった感じで、その気持ちや背景を理解するのにひとつの壁が生じてしまい、作者の身勝手な都合だと疑われてしまうことにも繋がります。
探偵や捜査官を現場に行かせないためにはそれ相応の納得できる理由が必要ですが、本作はそれを見事にクリアしていました。
また、障碍者であることで、物語の必須要素である「弱さ」や「弱点」が同時に生まれていたことです。
(「弱さ」や「弱点」の重要性は話が長くなるので、また別の機会に論じさせていただきます。)
主人公のリンカーンは人生に絶望し死にたがっていましたし、肉体的にも発作持ちで、いつ植物状態になるか分からないリスクを背負っていました。
精神的にも肉体的にも、「弱さ」を持っていたことが、ストーリー展開に対して、いい影響を及ぼしていたと言えます。
以上、『ボーン・コレクター』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
「安楽椅子探偵」というジャンルがある!
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