■今日のつまらない無駄話(導入)
あぁ、将来が見えない…。
まるで視界に霧がかかったように…。
(||゚Д゚)
さて!
本日はそんな「霧」に翻弄される人々の狂気と狂乱が描かれる、おすすめSFホラー作品のご紹介です!
『ミスト』
■メディア:映画(洋画)
■ジャンル:SF・サイコホラー
■放映時間:2時間5分
■発表年度:2007年
■製作の国:アメリカ合衆国
■映像監督:フランク・ダラボン
■脚本作家:フランク・ダラボン
(原作『霧』/著者「スティーヴン・キング」)
■興行収入:約35億円
デヴィッド・ドレイトン役
演:トーマス・ジェーン
(当時:38歳)
ビリー・ドレイトン役
演:ネイサン・ギャンブル
(当時:9歳)
アマンダ・ダンフリー役
演:ローリー・ホールデン
(当時:38歳)
ブレント・ノートン役
演:アンドレ・ブラウアー
(当時:45歳)
オリー・ウィークス役
演:トビー・ジョーンズ
(当時:40歳)
ミセス・カーモディ役
演:マーシャ・ゲイ・ハーデン
(当時:48歳)
ジム・グロンディン役
演:ウィリアム・サドラー
(当時:57歳)
家に子供を残してきた女性役
演:メリッサ・マクブライド
(当時:42歳)
ウェイン・ジェサップ役
演:サム・ウィットワー
(当時:30歳)
ある日、町中を正体不明の霧が多い、人間を襲う謎の怪物たちが無数に現れた。
スーパーマーケットに閉じ込められた主人公たちは、
中に立てこもりながらも、何とか脱出の方法を模索する。
だんだんと犠牲者が増える中、霧や怪物の正体が判明し、人々はやがて狂い始めていく。
【ちょっと感想】
初めてのホラー作品ご紹介となります。
ただただ脅かすような雑な内容ではなく、心に入り込むストーリー展開で、引き込まれます。
あの狂信感は本当にリアルでしたねぇ。
かの『シックス・センス』と並ぶほど、衝撃のラストが語り継がれる作品です。
ホラー作品初心者の人でも楽しめるので是非ご覧ください!
追伸:「また仕事をしてしまった。他の手段があるのなら、就職すべきじゃなかった」
【映画】『ミスト』が面白い理由
(ストーリー論的に考察・評価・レビュー)
今回は「スティーヴン・キング」原作の小説「霧」を原案とし、「フランク・ダラボン」監督がメガホンを取ったSFホラー作品、『ミスト』のご紹介です。
この二人のタッグ作品は他にも『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』があり、いずれも名作揃いです。
本作『ミスト』も負けず劣らずであり、ここにご紹介させていただきます。
シナリオのおさらいですが、ある日、町中を正体不明の霧が多い、謎の怪物たちに襲われ始めるという展開です。
偶然にもスーパーマーケットの中に閉じ込められた主人公たちは、中に立てこもりながらも、何とか脱出の方法を模索し悪戦苦闘するという内容でした。
本作が醸し出す面白さの本質は大きく分けて二つ、「おぞましい怪物に襲われるスリラー感」と「追い詰められた人間の狂気が織りなす人間ドラマ」です。
スリラー作品やホラー作品は、だいたいがこの辺りを軸に作られています。
問題は、いかにして、この二つを面白く演出するか、という部分ですが、本作の「霧」を使った演出がとても秀逸でした。
いろいろな角度から見て、この「霧で周囲が見えない」という状況設定が、スリラー感と人間の狂気を演出するのに適していたということです。
順を追って解説、考察させていただきます。
まず、一番分かりやすい点として、「周りが見えない、状況が分からない」という情報が遮断された状況を作り出すことが出来ます。
何か恐ろしい生物が歩き回ってるらしいが、その詳細が目で確認できない状況だったため、スリラー感や、人間が追い詰められる状況を作り出しやすいです。
よく、建物の中で明かりが点かず、暗闇の中で似たような効果を演出されていますが、視聴者側に立つと、映像が暗すぎて本当に何が起こっているか分からない状況のため、恐ろしいことが起こっても、よく理解するまでに至らないことがあります。
しかし、本作の「霧」を使った状況だと、「明るいけど、周囲がよく見えない」かつ「遠くまでは見えないけど、近場で起こった出来事(怪物に襲われる)ははっきりと目視できる」というのが、物語の効果を高めてくれていました。
また別の方法として、登場人物たちの視力が奪われるという手法もありますが、本人は見えておらず、狂気になりがちでも、視聴者からはハッキリと周囲が見えてしまっているので、状況を共有することは出来ないデメリットがあります。
(これはこれで別のストリート的効果はありますが。)
そしてもう一つ、「霧」という設定を使ったことで「動こうと思えば動ける」というのも、面白さに対しひと役買っていました。
確かに、状況的にはスーパーマーケットに閉じ込められていましたが、別に見えない壁に包囲されて身動きが取れないという訳ではなく、行こうと思えば外に行って助け求めるなり、家族に逢いに行くなりが可能です。
(成功するかどうかは別として。)
実際、作中では、さまざまな事情と状況で、何度か霧の外へ出向くシーンがあります。
単純に「出て行った人たちは実際どうなった?」という目を引く部分も自動で生まれていますが、一番大きな効果は、これが、事態を悪化させることに繋がっていたことです。
(死んだり、行方不明になったり、おぞましい現実を見たり。)
ただただ閉じ込められているだけでは、起伏のある展開が乏しいですが、「霧」という設定が、これらを打破していたとも言えます。
そして、犠牲者が増えていく中で、人々の混乱と狂信が増幅することにもつながっていました。
普通、「人はそう簡単に宗教になんかハマらない」という認識ですが、霧は人間の力ではどうすることも出来ないし、大した武器もない、襲い来る怪物は正体不明でおぞましく人間よりも強い、目の前でだんだんと犠牲者は増えていく、一切の対策が講じられない状況で、スーパーマーケット内の人々が一人の狂信者に服従するのには十分に納得できます。
そして最後、霧が功を奏した点として、「怪物たちが24時間ひっきりなしに襲ってくる訳ではない」という点です。
いくらスリラー感が大切だとは言っても、常に襲われ続けたら、飽きてしまいますし、気持ちが休まる場面がありません。
物語の鉄則として、「緊張と緩和」が重要ですが、本作では実際に怪物からの襲撃を受けたのは数度です。
霧に隠れてるので、恐らく怪物たちも相手の状況がはっきりと分からず、様子を伺っていたと推察されます。
で、人間が外に出た時や、夜になって店内で明かりを灯した時のみ、虫の性質として盛大に襲ってきました。
つまり、ストリート的に、必要なタイミングでだけ、都合よく襲って来るということを自然に演出していたのです。
総じて、この「霧」を使った演出が、本来の面白さを最大限に演出、納得させてくれていたのが、映画『ミスト』であったと考察します。
以上、『ミスト』という作品に秘められたの面白さの正体についての解説と考察でした。
ご高覧くださり、ありがとうございました!
「霧」を使うことで「スリラー感」と「人間的狂気」の味が高まる!
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